政治家も「見た目」が大事?
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「営業マンの基本だよ」
大学を卒業後、ある会社で営業の仕事に就いた。入社してしばらくは、先輩に連れられて得意先を回る日々。アポなしのいわゆる「飛び込み営業」もやった。
やがて独り立ちしようというとき、先輩からこんな忠告を受けた。

「得意先で応接のソファに深く腰を落とすな。足や腕など組むのはもってのほか。訪問時は寒くてもコートを着ていくな」
すかさず、「まさか、足を組むなんてしませんよ。でもコートは面会の直前に脱げばいいのでは」と応えた。
一回り年上の先輩は、くすっと笑い、こう返した。
「とにかく、まずは、見た目が大事だよ。営業マンの基本だよ」
そんなものかと、納得した記憶がある。1980年代半ばのことだ。
国会中継で気になって仕方ないこと

最近、テレビの国会中継を見て、三十数年前の先輩の言葉を思い出した。
衆参の予算委員会での論戦。菅首相や麻生財務相らが足を組んだり、腕を組んだり、時には反り返って椅子に座っている。それが、気になって仕方がないのである。本人たちはどう思っているのか知らないが、とにかく見た目がよくない。周りの人に聞くと、
「上から目線でいや」
「官僚たちが、政府参考人席で肩をすぼめて縮こまっているのと対照的だ」
そうした感想を持つ人が少なからずいた。