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電力自由化5年 安定供給維持への課題は?

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編集委員 倉貫浩一

 日本の電力小売りが全面自由化されてから5年がたった。500社超の小売業者が新規参入したことで、消費者は電力会社を乗り換え、自分の生活スタイルにあった料金プランを選べるなどのメリットが生まれた。一方で自由化によって、電力の安定供給については気がかりな部分も見え始めている。

 昨年末から年明けにかけての厳しい寒さや日本海側を中心に降った大雪の影響で、電力需要が急増し、供給体制が逼迫(ひっぱく)する事態が起きた。荒天による太陽光発電の大幅な減少や、火力発電の燃料である液化天然ガス(LNG)の在庫不足に加えて、火力発電所の故障などの要因も重なった。

 自前の発電所を持たない新電力は、電力を卸売市場から調達している。電力供給が逼迫した今冬は価格が20倍まで高騰し、新電力の経営を圧迫した。3月には、今冬の価格高騰の影響で、コスト負担が急増し、新電力大手のF-Powerが会社更生法の適用を申請し、事実上、破綻した。自由化の負の側面と言えるかもしれない。

自由化の進む米テキサス州で大規模停電、電力の卸売価格は300倍に

一般社団法人 海外電力調査会作成
一般社団法人 海外電力調査会作成

 同じ頃、米国では、さらに深刻な事態が起きている。

 米テキサス州では今年2月の記録的寒波で電力供給が不足し、大規模停電が起きた。ガス火力が主力だが、風が強い地域が多いため、風力発電への依存度も高い。停電は、最大400万世帯に及んだ。主な要因は、パイプラインの凍結による火力発電所への天然ガス供給が滞ったことだ。テキサス州は電力自由化が進んだことで、電力会社同士の競争が激しく、価格は市場での取引で決まる。平時の料金は他州より安いが、今回の需給逼迫で、卸電力市場の価格は一時、通常の300倍以上に高騰したという。価格を市場の需給状況に任せていることが原因だが、根本的な原因は電力会社の安全投資の不足だった。2011年の寒波襲来時に、発電所が停止したことを受けて、米政府は、電力会社に冬期対策の義務化を推奨していた。だが、テキサス州議会は、電力会社に自主的な対策を求めるにとどめた。競争上、発電コストが増えることを懸念する電力会社への配慮があったとみられる。

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