読売新聞オンライン

メニュー

ニュース

動画

写真

スポーツ

コラム・連載・解説

発言小町

漫画

教育・受験・就活

調査研究

紙面ビューアー

その他

サービス

読売新聞のメディア

購読のお申し込み

読売新聞オンラインについて

公式SNSアカウント

認知症、子供の性被害…戦う美しい王妃の言葉

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

編集委員 猪熊律子

 アンソニー・ホプキンス主演の認知症を描いた映画「ファーザー」が関心を集めているように、認知症は日本だけでなく、世界共通の課題だ。WHO(世界保健機関)によれば、認知症の人は世界に約5000万人おり、医療や介護などにかかる「社会的費用」は、2015年時点で世界の国内総生産(GDP)の約1%にあたると推計されている。根本的な治療薬がない中で、認知症になっても自分らしく、安心して暮らせる社会を築くにはどうすればよいか――。そうした議論を主導し、実際に行動を起こしている人として、すぐに頭に思い浮かぶ人がいる。スウェーデンのシルビア王妃だ。

民間人、外国人…出会いから4年後に「夢の結婚式」

シルビア王妃(2019年5月、スウェーデンで撮影)
シルビア王妃(2019年5月、スウェーデンで撮影)

 父はドイツ人で、母はブラジル人。語学に堪能で、1972年、ミュンヘン・オリンピックでコンパニオンをしていた際、カール16世グスタフ国王に見初められた。スウェーデンに長く住む知り合いによると、「民間人で、外国人で、王様より年上という“ハンデ”があったにもかかわらず、出会いから4年後に夢の結婚式を挙げられた。社交性に富み、国民の人気は高い。美人のキャリアウーマンを連れ帰った王様は、さすがバイキングの子孫と言われた」のだとか。結婚式前夜にアバ(ABBA)が歌った「ダンシング・クイーン」は、世界的な大ヒットとなった。

 1943年生まれとは思えないほど、今も若々しく、美しい。認知症への熱心な取り組みで知られ、先日、コロナ禍のためにオンライン上で開かれた認知症の国際会議では、「こういう時こそ、人々が共に支え合うことが大事」と力強く語った。この会議はスウェーデンの非営利団体がカロリンスカ研究所などと共同で2015年から開催しているもので、各国から集まった専門家や閣僚、王室関係者らが、医療、介護、財政、ビジネスなどの諸課題を話し合う。王妃はこの国際会議を全面的に支援しており、いつもなら王宮を会場として開放しているほか、自分も一参加者として会議で積極的に発言している。

認知症専門デイケア、設立のきっかけに

国王との結婚を伝える記事。「現代シンデレラ」の文字も(1976年6月20日読売新聞)
国王との結婚を伝える記事。「現代シンデレラ」の文字も(1976年6月20日読売新聞)

 シルビア王妃に最初にインタビューする機会を得たのは、2007年、読売新聞社とスウェーデン大使館が日本で開いた認知症のシンポジウムの時だった。その時、王妃は、自分の母親が認知症になり、早期に的確な診断を得ることが重要だと思ったこと、認知症の当事者(本人)や家族に質の高い支援を届けるには、専門職への教育が欠かせないこと、認知症についての正しい知識は大人だけでなく、子供たちにも伝えることが大切であることなどを語った。

 これらの言葉には実践が伴っている。

残り:1369文字/全文:2713文字
読者会員限定記事です
新規登録ですぐ読む(読売新聞ご購読の方)
無断転載・複製を禁じます
2098912 0 編集委員の目 2021/06/04 10:00:00 2021/06/04 10:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/06/20210602-OYT8I50016-T.jpg?type=thumbnail

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)