読売新聞オンライン

メニュー

ニュース

動画

写真

スポーツ

コラム・連載・解説

発言小町

漫画

教育・受験・就活

調査研究

紙面ビューアー

その他

サービス

読売新聞のメディア

購読のお申し込み

読売新聞オンラインについて

公式SNSアカウント

五輪の開催都市契約を通して見たIOC、開催国政府それぞれの役割

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

編集委員 結城和香子

 東京五輪・パラリンピックの主催者はだれ――。大会開催をめぐる議論に不可欠なのが「開催都市契約」への理解だ。契約を結んだ開催主体、万が一の決断をする権利は誰にあるのか等が明記されている。国会の委員会での質疑で、菅首相が「私自身(日本国政府)は主催者ではない」と語ったわけもここにある。

 開催都市契約(ホスト・シティー・コントラクト)は、名前の通り国際オリンピック委員会(IOC)と大会開催都市、そして開催地のオリンピック委員会の間で結ばれる契約だ。近年の五輪では透明性の観点から公開されており、東京大会の契約内容も、都庁のサイトなどで容易に見ることができる。

    ◆第32回オリンピック競技大会 開催都市契約の主な項目◆
  • ・基本原則
  • ・計画、組織および運営の原則
  • ・宿泊施設の体制(オリンピック選手村など)
  • ・競技プログラムの策定
  • ・文化プログラムおよび開催都市における活動の策定
  • ・セレモニー、聖火と聖火リレー、メダルと賞状
  • ・知的財産権に関連する事項
  • ・財務上および商業上の義務
  • ・大会のメディア報道(放送契約など)
  • ・その他の義務(パラリンピック競技大会など)
  • ・解除(契約の解除)
  • (東京都による和訳から抜粋)

開催都市契約の調印式を終え、笑顔の(左3人目から)安倍首相、ジャック・ロゲIOC会長、竹田恒和日本オリンピック委員会(JOC)会長、猪瀬直樹都知事ら(2013年9月7日、アルゼンチンのブエノスアイレスで。肩書はいずれも当時)
開催都市契約の調印式を終え、笑顔の(左3人目から)安倍首相、ジャック・ロゲIOC会長、竹田恒和日本オリンピック委員会(JOC)会長、猪瀬直樹都知事ら(2013年9月7日、アルゼンチンのブエノスアイレスで。肩書はいずれも当時)

 2020年東京大会の場合は、招致に成功した13年のIOC総会(ブエノスアイレス)で、当時のジャック・ロゲIOC会長、猪瀬直樹都知事、竹田恒和・日本オリンピック委員会(JOC)会長を代表者として結ばれた。その翌年、結成された大会組織委員会が加わっている。当時、安倍首相は、招致演説にもセレモニーにも同席したが、契約を結んだ当事者ではない。

五輪はIOCの「独占的な資産」

 五輪憲章では、「オリンピック競技大会はIOCの独占的な資産であり、IOCはオリンピック競技大会に関する全ての権利を所有する」(五輪憲章2020年版、JOC訳)と定められている。五輪開催は、IOCが開催都市を選び、許可するものという建て付けだ。また、五輪に参加する選手団も、五輪憲章上は「国」を代表するのではなく、「オリンピック委員会(NOC)」によって派遣されると定義する。スポーツの独立性を担保し、国際関係の思惑に支配されがちな、政治との直接の関わりを回避する狙いもあるのだろう。例えば開催国と国交のない国・地域の選手の参加も、これにより実現することができ得る。

 とは言え、巨大化した五輪の開催に、当該国の政府の協力は不可欠だ。政府に求められる役割は主に、警備などの大会の安全確保と入国管理。そして組織委員会や開催都市で費用をまかなえなくなった場合の財政保証だ。

残り:1666文字/全文:2964文字
読者会員限定記事です
新規登録ですぐ読む(読売新聞ご購読の方)
無断転載・複製を禁じます
2116871 0 編集委員の目 2021/06/11 10:00:00 2021/06/11 09:55:13 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/06/20210610-OYT8I50025-T.jpg?type=thumbnail

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)