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材料の調達先はどこですか?…「経済安保」で企業が抱える新たなリスク

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編集委員 倉貫浩一

小林経済安全保障相
小林経済安全保障相

 岸田政権が発足し、経済安全保障が主要な政策課題として浮上した。小林経済安全保障相は記者会見で、経済安保推進法(仮称)について、速やかに検討する意向を示している。経済安保上、守るべき重要な技術を特定して、保全することを目指す。さらに、サプライチェーン(供給網)の強化推進なども盛り込む方向だ。供給網の見直しには新たな取引先の開拓に時間や労力がかかるが、企業側にも積極的な対応が求められる。

玉井克哉・東大教授
玉井克哉・東大教授

 経済安全保障や知的財産分野が専門の玉井克哉・東大教授は、「ハイテク関連などで調達が止まると経済や企業経営が致命的な打撃を受けるチョークポイントとなる製品は、自国と同盟国で調達しなければならなくなってきた。対立する別の国に何らかの報復措置として重要製品の輸出を止められたりするリスクがあるからだ」と解説する。さらに、企業は人権を重んじるという立場を明確にする必要が出てきた。「許しがたい人権侵害を犯している企業や国に手を貸しているとみられないようにしなければならない」と指摘する。

米国に輸入を差し止められた「ユニクロ」

 カジュアル衣料「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは、中国・新疆ウイグル自治区に関連して、仕入れ先が強制労働に関わっていない証明が不十分だとして、米国に輸入を差し止められた。同社は「縫製工場は第三者の監査機関に入ってもらい、人権に問題がないことを確認している」と説明している。綿も生産過程で労働環境が適正に守られたもののみを使用しているという。岡崎健取締役は7月の決算記者会見で「(米当局の)質問にも (しん)() に答えたが、最後の最後まで受け入れていただけなかった」と説明した。玉井教授は、同社が米国の説得を事実上、断念したことについて「最終的にファーストリテイリングは中国市場が米国市場よりも重要だと経営判断をしたのだろう」と推測する。

 多くの部品や原材料を使う製造業では、調達先の実態把握に限界があるとの声が多い。大手メーカーは「直接の取引先から先の2次、3次の取引先の状況までしっかり確認することは難しい」(幹部)と話す。

兵器関連メーカーと直接の取引がなくても

2021年9月、フロンテオ調べ 
2021年9月、フロンテオ調べ 

 こうした新しい経営課題に対して、フロンテオ(東京・港区)というスタートアップ企業は、企業のサプライチェーンに潜む事業リスクを人工知能(AI)で分析し、あぶり出すサービスを提供し始めている。ネット上に公開されている膨大な企業の財務や事業などの情報をもとに取引関係を分析するのだという。海上自衛隊出身の守本正宏氏が2003年に設立した。AIエンジンを開発した久光徹氏は日立製作所を退社して、同社に移った。

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2451901 0 編集委員の目 2021/10/19 10:00:00 2021/10/19 10:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/10/20211015-OYT8I50040-T.jpg?type=thumbnail

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