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スター・トレックのカーク船長、再び宇宙へ

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編集委員 阿部文彦

 10月14日の弊紙に、SFファンにはたまらない記事が掲載された。1966年に米国で始まった人気SFシリーズ「スター・トレック」=邦題「宇宙大作戦」=で、宇宙船U.S.S.エンタープライズ号のカーク船長を演じた俳優ウィリアム・シャトナーさん(90)が、宇宙飛行の夢をかなえたのだ。82歳だった最高齢記録も塗り替えた。再び挑んだ宇宙で何を思ったのか。

宇宙船内で無重力状態を体験するシャトナーさん=ロイター
宇宙船内で無重力状態を体験するシャトナーさん=ロイター

23世紀に未知の星々を探査飛行 日本でも放映

 スター・トレックは23世紀の未来、星々を旅し、新しい生命や文明の探査を行う宇宙船クルーの活躍を描いたテレビシリーズで、トレッキーと呼ばれる熱狂的なファンを生んだ。日本でも1960年代後半から放映され、映画もヒットした。

 冒頭のナレーションがしびれる。

 〈宇宙、それは人類に残された最後の開拓地である。そこには人類の想像を絶する新しい文明、新しい生命が待ち受けているに違いない〉

 幼かった記者もこの名文句に心をわしづかみにされた。未知の文明とどう友好的な関係を築き、時には異星人や生物の襲撃を、抜群のチームワーク、それに機略で切り抜けるのか。毎回、ハラハラしながらブラウン管にかじりついたものだ。

 最大の魅力がSFとしての完成度の高さ。人の体を量子レベルに分解して瞬時に移動させる転送装置や、光を上回る速度、つまり秒速30万キロ超!で飛行できるワープ航法、それに燃料となる反物質など未来のテクノロジーの数々にファンはうなった。

 クルーの顔ぶれもユニークだった。地球人と異星人であるバルカン人との間に生まれた副長、スポックを筆頭に、アフリカ系の女性士官や東洋人のパイロットなど多様性に富んでいた。幼い頃は気付かなかったが、私たちが目指す未来の世界はかくあるべしというメッセージだったのだろう。主人公はもちろん、シャトナーさんが (ふん) するカーク船長。リーダーシップと機知にあふれ、女性にもてる。

高度約100キロの宇宙空間で無重力体験

 シャトナーさんが乗り込んだ現代の宇宙船は、米インターネット通販大手アマゾン・ドット・コム創業者のジェフ・ベゾスさん率いる宇宙企業ブルーオリジンが開発し、今回が2回目の有人飛行だった。スター・トレックの大ファンであるベゾスさんが招待したのだという。

 米テキサス州の施設から打ち上げられた宇宙船は、空気がほとんどなくなり、宇宙空間の目安となる高度約100キロに到達。シャトナーさんと乗員3人は、無重力状態や地球、そして宇宙の景色を楽しんだ。その飛行時間は約10分間。

 カーク船長がエンタープライズ号で駆け回ったのは、我らが太陽系を含み、直径約10万光年の大きさを持つ天の川銀河の深宇宙。それに比べれば、地球の高度100キロは、宇宙のほんの入り口に過ぎない。しかし、地球や漆黒の宇宙を肉眼で眺め、宇宙船の指令室のセットでは決して味わえない無重力状態も体感した。感慨はいかほどだっただろう。

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