政策の軌道修正繰り返す岸田政権…支える官邸の重厚布陣

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編集委員 尾山宏

 発足から間もなく4か月となる岸田政権は、政策の軌道修正が目立つ。朝令暮改、場当たり的といった批判がつきまとうが、ミスや弱点が見つかったらすぐに改めようとする姿勢を評価する声の方が多い。臨機応変な政権運営を支えているのは、首相官邸の重厚な布陣だ。

18歳以下への10万円相当の給付を巡り、衆院予算委員会で答弁する岸田首相(1月25日、国会で)
18歳以下への10万円相当の給付を巡り、衆院予算委員会で答弁する岸田首相(1月25日、国会で)

 18歳以下への10万円相当の給付を巡っては、基準日以降に離婚したひとり親家庭には10万円が届かないケースを野党に指摘されていた。「制度上、支給は難しい」と述べていた岸田首相は、24日の衆院予算委員会で一転、「(制度の)見直しを検討したい」と語り、支給を実現する方針を示した。首相周辺は「10万円給付の基礎となる児童手当の仕組みを手直しする」と説明している。

首相秘書官や官房副長官などに、次官・長官経験者がずらり

 官邸主導で素早く方針転換を図ることができるのは、首相秘書官室の力が大きい。経済産業省出身で、異例の次官経験者の起用となった嶋田隆首席秘書官を中心に、首相秘書官には各省の局長級が名を連ねる。菅前政権が、中堅クラスの官房長官時代の秘書官をそのまま首相秘書官に登用し、失敗したと言われていることを教訓にしている。

 岸田官邸は、「秘書官室で議論し、首相の判断を仰ぎ、その後、霞が関に指示を出すことが多い」(首相周辺)という。嶋田氏は2016年の熊本地震の際、現地に派遣されて支援に携わった。当時の安倍首相からは「霞が関の了解を待たずに、現地で対応を決めてくれ」と指示されていた。この経験が今に生かされているのかもしれない。

 霞が関トップの次官・長官経験者が多いのも、岸田官邸の特徴だ。嶋田氏のほかに、事務の官房副長官には栗生俊一元警察庁長官、国家安全保障局長には秋葉剛男前外務次官がおり、さらに1月からは、新型コロナウイルス対策を含む様々な政策調整を担う首相補佐官として、森昌文元国土交通次官が加わった。これだけの布陣がそろえば、十分に霞が関ににらみを利かせられるだろう。

党人派・田中六助は見当たらない…党内保守派との関係が課題

 一方で、岸田官邸の弱点も見えてきた。党との関係は万全とは言えない。

 「佐渡島の金山」を世界文化遺産の推薦候補とするかどうかを巡って、安倍氏ら保守派は、政府が推薦見送りに傾いていることに反発している。ハト派の宏池会出身の首相にいらだちを募らせているようで、首相にとって、保守派との関係は課題だ。

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2709082 0 編集委員の目 2022/01/28 10:00:00 2022/01/28 10:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/01/20220126-OYT8I50056-T.jpg?type=thumbnail

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