東芝の混迷から考える…企業再建に求められる「三方よし」の精神

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編集委員 倉貫浩一

 東芝の経営の先行きが不透明さを増している。

会社2分割案も株式非公開化案も否決…東芝

東芝の臨時株主総会では、会社の2分割案と東芝株の非公開化案の双方が否決された(3月24日、東京・新宿区で)
東芝の臨時株主総会では、会社の2分割案と東芝株の非公開化案の双方が否決された(3月24日、東京・新宿区で)

 3月の臨時株主総会で、会社を2分割する案と、大株主が求めた株式の非公開化案の双方が否決された。その後、米投資ファンドのベインキャピタルが東芝を買収し、非公開化を目指していることが明らかになり、混迷が続いている。

 原子力発電などを手がける東芝の再建策は、外国為替及び外国貿易法(外為法)で安全保障の観点から日本政府に事前の届け出が必要で、外資ファンド主導の非公開化が実現するかどうかは分からない。

 東芝は、ファンドら株主が納得する経営戦略を考える必要があるが、株主の利害だけを優先しては長期的な成長は見込めないだろう。

東芝は不適切会計問題で、証券取引等監視委員会に課徴金を勧告された。記者会見で頭を下げる室町正志社長(当時)(2015年12月、東京・港区で)
東芝は不適切会計問題で、証券取引等監視委員会に課徴金を勧告された。記者会見で頭を下げる室町正志社長(当時)(2015年12月、東京・港区で)

 東芝の経営が迷走したのは2015年に発覚した会計不祥事が発端だ。

 収益確保を優先した、不適切な会計処理が行われたほか、原発事業でも多額の損失を被り、経営不振に陥った。その間、増資によってファンドが大株主となり、事業売却などにより株主還元を大幅に引き上げることを打ち出した。だが、再建には、東芝が持つ技術力や商品力を生かした長期的な戦略の構築が欠かせない。

対立した投資ファンドと決別、経営陣が再上場果たす…西武

西武ホールディングスの株主総会。株主の米投資ファンドのサーベラス・グループ側の幹部が後藤高志社長(当時)に激しく質問を浴びせた(2013年6月、埼玉県所沢市で)
西武ホールディングスの株主総会。株主の米投資ファンドのサーベラス・グループ側の幹部が後藤高志社長(当時)に激しく質問を浴びせた(2013年6月、埼玉県所沢市で)

 投資ファンドが乗り出した企業再建は、経営陣との間で方針が一致せず、混乱を生じる場合が少なくない。西武ホールディングス(HD)はその典型例だろう。

 西武グループ(現・西武HD)の中核企業である西武鉄道は、2004年に、総会屋に対する利益供与事件の不祥事によって、上場廃止となった。

 米系投資ファンドのサーベラスが大株主として再建に協力してきたが、上場方針について意見が対立し、12年に、西武秩父線など5路線を不要な路線とし、プロ野球球団の埼玉西武ライオンズについても売却を選択肢とするなど計40項目を超えるリストラを求めた。

 結果的に、西武はサーベラスによる取締役選任などの提案を否決し、現経営陣の下で再上場を果たしたが、この間に浪費した時間やコストは小さくなかった。

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2902865 0 編集委員の目 2022/04/08 10:00:00 2022/04/08 15:34:14 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/04/20220406-OYT8I50001-T.jpg?type=thumbnail

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