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新首相の地元で江戸時代に経済対策…大失敗の理由とは

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調査研究本部 丸山淳一

衆院本会議で首相に指名された自民党の菅義偉総裁(中央)=16日午後1時45分、国会で
衆院本会議で首相に指名された自民党の菅義偉総裁(中央)=16日午後1時45分、国会で

 自民党総裁選に圧勝した菅義偉氏が首相に指名され、菅内閣が発足した。菅氏は安倍内閣で総務相、官房長官を務め、ふるさと納税や農産物の輸出拡大などの地方創生に取り組んできた。秋田県出身では初の首相となった菅氏は、総裁選で活力ある地方創生を政策の柱に掲げ、自らのブログにこう書いている。

 「私は秋田の農家の長男として生まれ、地元で高校まで卒業しました。それが私の原点であり、政治の道を志して以来、常に『活力ある地方を創りたい』という思いを胸に、知恵を絞り、政策を実行してきました」

 秋田藩(久保田藩)は、江戸時代に災害や不作に苦しむ領民を救うため、ある経済政策を実行している。結果は大失敗に終わり、「秋田騒動」「秋田銀札事件」と呼ばれる騒動に発展するのだが、着眼点はなかなか斬新で、今の政策にも通じる面がある。

財政再建と領民救済、両得狙い銀札発行願い

秋田藩が発行した「銀札」(秋田県立博物館提供)
秋田藩が発行した「銀札」(秋田県立博物館提供)

 宝暦4年(1754年)、秋田藩は幕府に「今後25年の間、銀札(ぎんさつ)を発行させてほしい」と願い出た。幕府に提出した御伺書(おうかがいしょ)には、「近年財政が欠乏し、加えて不作が続き領民も困窮している。銀札発行により諸商売を盛んにして藩士や商人、農民を救いたい」とある。当時、大雨、洪水、大火などの災害が相次ぎ、冷害による凶作は深刻だった。流通している銀貨や銭貨(正銀、正銭)に交換できる藩独自の紙幣を発行して、財政難を乗り切り、経済を活性化しようとしたわけだ。

 江戸時代中期に商品経済が発達して経済規模が拡大すると、幕府が供給する貨幣(正貨)だけでは足りず、多くの藩が藩札を出していた。銀札発行自体は目新しい政策ではない。だが、秋田藩は銀札を使って領内の正銀を藩に集め、困窮する領民に米や生活必需品を給付することを主眼に据えていた。

 銀札を普及させれば、銀札と交換された正銀が回り回って藩に入ってくる。言い換えれば、領民に銀札を渡し、蔵や(かめ)の中で“タンス預金”になっている正銀を藩に吸い上げるのだ。吸い上げた正貨を藩外への支払いにあて、藩外から米や日用品を買い入れて領民に安く売れば、財政再建と領民救済の一挙両得が図れる、と考えたわけだ。

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1480585 0 今につながる日本史 2020/09/16 10:00:00 2021/01/01 11:17:14 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/09/20200914-OYT8I50028-T.jpg?type=thumbnail

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