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“聖地”から考える「鬼滅の刃」と日本神話のつながり

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調査研究本部 丸山淳一

 人気漫画『鬼滅(きめつ)(やいば)』のコミック累計発行部数が電子版を含めて1億部を突破した。「週刊少年ジャンプ」の連載は今年5月で終了したが、人気は依然衰えず、劇場版の映画も公開される。

「鬼滅の刃」
「鬼滅の刃」

 物語のモデルは多くが不明だが、『鬼滅』ファンは主人公の少年、竈門(かまど)炭治郎(たんじろう)と同じ名前の神社などをゆかりの地に見立てて“聖地巡礼”に訪れている。これらの“聖地”の由来をたどっていくと、『鬼滅』と日本神話のつながりが浮かび上がってくる。

九州の神社や山を連想

 『鬼滅の刃』は人食い鬼に家族を惨殺された炭治郎が、鬼狩りの非合法組織「鬼殺隊」の仲間とともに鬼と戦う物語だ。家族の中で唯一生き残った妹も鬼と化し、炭治郎は妹を人間に戻す方法を探る使命も背負うことになる。炭治郎の出身地は公式ファンブックで東京都の雲取山(くもとりやま)とされているが、作者の吾峠(ごとうげ)呼世晴(こよはる)さんは福岡県の出身で、作中には九州の神社や山を連想させるエピソードが数多く盛り込まれている。

九州「鬼滅の刃」地図
九州「鬼滅の刃」地図

 例えば、炭治郎が鬼と対決するための修行をしたのは「狭霧(さぎり)山」だが、大分県由布市には有名な霧の名所「狭霧台(さぎりだい)」がある。鬼殺隊の最終選抜試験が行われる「(ふじ)襲山(かさねやま)」は実在しないが、福岡県八女市の「黒木の大藤」をはじめ、温暖な九州北部には立派な藤棚がたくさんある。炭治郎の名字と同じ「竈門(かまど)神社」も各地にあり、その中には「鬼」にゆかりがある神社が多い。

 福岡県太宰府市の宝満(ほうまん)宮竈門(ぐうかまど)神社は、大宰府政庁の北東の「鬼門」封じのために創建されたと伝わり、上宮が建つ宝満山の山頂近くには「竈門岩」という巨石がある。宝満山は古くから修験者の修行地で、修験者は炭治郎の羽織と同じ市松模様の装束を着る。

 大分県別府市にある八幡竈門(はちまんかまど)神社の石段には、鬼が一夜で造ったという伝説がある。境内には鬼が忘れた石草履(ぞうり)もある。「鬼滅」には「ヒノカミ神楽」が登場するが、ここでは毎年正月に「かまど神楽」が奉納される。

国東半島で行われる鬼の行事
国東半島で行われる鬼の行事

 国東(くにさき)半島には数多くの鬼伝説や鬼にまつわる祭事があり、大分県豊後高田市の熊野磨崖仏(まがいぶつ)の長い石段も鬼が一夜で造ったとされる。鬼の石段は宮崎県都城市の(つま)霧島神社にもあり、これら3か所の石段伝説は「里で人を食い、娘を強奪しようとした鬼に神様が『石段が一晩でできれば生贄(いけにえ)を渡す。できなければ二度と現れるな』と命じ、完成まであと1段となったところで神様がコケコッコーと鳴いて鬼が逃げていく」というあらすじまで同じ。『鬼滅』でも鬼は日光に弱い。

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1545073 0 今につながる日本史 2020/10/14 10:00:00 2021/01/01 11:11:32 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/10/20201012-OYT8I50016-T.jpg?type=thumbnail

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