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ディック・ミネ、本格派ジャズ「ダイナ」大ヒットで飛躍…花開く和製洋楽<下>

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編集委員 西田浩

 戦前の日本ジャズにおけるエポックとしてディック・ミネの登場が挙げられよう。立教大学在学時からジャズに傾倒し、バンドを組んでスチールギターやドラムスを演奏していたという。卒業後、タンゴ楽団でボーカル兼ドラマーとして活動していたところを、歌手の淡谷のり子に見いだされ、プロの道を歩むことになった。1991年6月11日読売新聞のインタビューで、淡谷は「マイクなどありませんから、(ミネさんは)小さなメガホンを手に粋な構えで歌っていた。それはもうすてきな声でした。すっかり魅了され、所属していたコロムビアに紹介したんです。でも『バタ臭い歌はのりちゃんだけでたくさん』と言われ、結局、テイチクに決まったのです」と当時の様子を語っている。

巻き舌・アドリブで本場の雰囲気出す

デビュー曲「ダイナ」が空前のヒットを記録したディック・ミネ。ジャズだけでなく歌謡曲でも成功した
デビュー曲「ダイナ」が空前のヒットを記録したディック・ミネ。ジャズだけでなく歌謡曲でも成功した

 34年、ミネはデビュー曲として「ダイナ」を出した。「ダイナ」は25年に発表された米国のポピュラーソングで、後にビング・クロスビーやデューク・エリントンら多くの人気者が取り上げ、ジャズのスタンダード・ナンバーとして知られるようになった。ミネはこれを自ら訳詞して歌った。冒頭には南里文雄のトランペットのソロが入り、二村定一の「アラビアの唄」とはひと味違う、より本格的なジャズ作品と言えるのだが、これが空前のヒットを記録した。

 「本当は母、すなわちミネの妻が訳したと聞いていますが……」と言うのはミネの三男でギタリストの三根信宏。「英語の響きを意識した巻き舌気味の日本語、旋律を微妙に変えるアドリブ的な感覚など、本場のジャズの雰囲気を出そうと工夫したようです。『ダイナ』が当たり驚くほどのお金が入ってきて、家を建て外車を買っても使い切れなかったと、後に父は振り返っていました」と続ける。ちなみに、このヒットに触発され、喜劇王エノケンこと、榎本健一もこの曲を取り上げたが、こちらはジャズのムードを踏襲しつつ、「ダンナ のませてちょうダイナー……」で始まるコミックソングに仕立てている。

 ミネは、長身に目鼻立ちのくっきりした端正な(よう)(ぼう)もあって、たちまちスターの座をつかみ、俳優として映画界にも進出した。「アイルランドの娘」など外国曲を取り上げる一方、「人生の並木(みち)」「旅姿三人男」といった歌謡曲のヒットも数多く出した。

 「新興レコード会社の看板歌手として、ヒットを出さなくてはという宿命を背負っていたことは否定できません。『ジャズではこうするんだ』が口癖のような人で、心底ジャズを愛していましたが、流行歌手としての役割も引き受けていました」と三根は話す。

 ミネは戦後もジャズ、歌謡曲をまたにかけて活動。日本歌手協会会長を務めるなど、重鎮として存在感を発揮した。

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1755914 0 日本ジャズの断面 2021/01/11 10:00:00 2021/01/08 16:14:52 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/12/20201210-OYT8I50067-T.jpg?type=thumbnail

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