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抜群のスイング感、美空ひばりの「すごみ」…歌謡界への貢献<下>

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編集委員 西田浩

 戦後ジャズと歌謡界の関係を語る上で、昭和の大歌手、美空ひばりの存在も忘れてはならないだろう。

昭和歌謡の女王、美空ひばりはジャズにも精通していた
昭和歌謡の女王、美空ひばりはジャズにも精通していた

 「三人娘」と言われた盟友、江利チエミと雪村いづみは、進駐軍回りの仕事からデビューしているため、ジャズとの距離は近かったが、そういった経験のない美空もジャズを好み、「ナット・キング・コールをしのんで」など多くのジャズ・アルバムを残している。その技量について、音楽文化研究家の長田暁二氏は、「ジャズ独特のスイング感を備えており、本職のジャズ歌手をしのぐレベル」と評した上、こう続けた。

 「彼女は、歌の師匠的存在だった歌謡漫談家、川田晴久に感化され、あらゆるジャンルの音楽に親しんでいた。その中でもドリス・デイやジュリー・ロンドンらジャズの女性歌手はお気に入りでした。また、デビュー直後の1950年に川田とともにハワイと米国西海岸への公演旅行を行っているが、その影響もあったと思われます。現地でジャズ・ビブラフォン奏者、ライオネル・ハンプトンのショーを楽しむなど、本場のジャズに触れていますから」

予定外の曲、「耳で覚えた」完璧な英語で披露

北村英治
北村英治

 スターとなってからも、美空の公演にはジャズを歌うコーナーがあり、その伴奏には一流のジャズ奏者たちが起用された。50年代後半には、小野満(ベース)とシックス・ブラザーズが担当していた。このバンドに在籍していた北村英治(クラリネット)から、こんな話を聞いた。

 沖縄で公演した時のことだった。メンバーの一人がジェリー・ロンドンのレコードを聴いていたら、美空が「これ、いいじゃない」と興味を示した。中でも「クライ・ミー・ア・リバー」を気に入り、「明日のステージでやりましょう」ということになった。さあ、バンドは大変だ。予定外のリハーサルで、何とか演奏できるようにはなった。

 「翌日のリハーサルで、英語を話せないはずのひばりが見事に仕上げてきたのにはびっくりしました。おそらく耳で聴いて覚えたのでしょう」と北村。本番を終えた後、公演を聴いていた米軍の将校(当時、沖縄は米国の占領下にあった)が、美空の歌が素晴らしかったので、会いたいと言ってきた。バンドの中では英語が得意だった北村が「彼女は疲れているし、英語もできないので勘弁してほしい」と言ったところ、その将校は「 (うそ) を言うな。彼女は完璧な英語で歌っていたじゃないか」と怒り出したという。

ジャズバンド、あっという間にひばり専属に

原信夫
原信夫

 6月21日に亡くなった原信夫(サックス)率いるシャープス&フラッツは60年代に5年ほど美空ひばりの専属バンドを務めた。2017年秋に取材した時、原はこう述懐していた。

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2187140 0 日本ジャズの断面 2021/07/08 10:00:00 2021/08/16 21:18:13 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/06/20210604-OYT8I50033-T.jpg?type=thumbnail

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