『約ネバ』は終わらない 「沼」を読み解く“第21巻”

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編集委員 石田汗太

 ・原作:白井カイウ 作画:出水(でみず)ぽすか『約束のネバーランド』(集英社、全20巻)

白井カイウ・出水ぽすか『約束のネバーランド』第1巻
白井カイウ・出水ぽすか『約束のネバーランド』第1巻

 「週刊少年ジャンプ」で、『鬼滅の(やいば)に迫る人気を博していたファンタジー『約束のネバーランド』が、今月出た第20巻で完結した。『約ネバ』ロスになりかかっているファンも多いだろう。しかし、そんな人たちに言いたい。「全てを読み終えたと思うのはまだ早い」と。

 本作には“第21巻”と言うべき本が存在する。「そんなバカな!」と怒られそうだが、まあ落ちついて聞いてください。

偽りの「檻」から脱獄する子どもたち

 『約ネバ』を未読の人のために、あらすじを簡単に紹介する。

 イギリスの田舎を思わせる自然豊かな土地。小さな孤児院、グレイス=フィールド(GF)・ハウスでは、年齢も肌の色も違う子どもたちが、母親代わりのママ・イザベラと共に暮らしている。最年長組は、11歳のエマ、ノーマン、レイの3人。ハウスでの生活は、いつも温かい笑いに満ちているが、子どもたちの首筋には5桁の「認識番号」が刻印され、毎日の能力テストで厳しくスコアを記録されている。

 子どもたちは、ハウスの敷地から出ることを禁じられており、外界のことは一切知らない。12歳になるまでに里親が決まれば、その子はハウスを出て行く。一緒に過ごした家族たちと最後のハグをし、新生活への期待に胸を膨らませながら。

 ……ずっと、そう信じ込まされていた。

 だが、エマとノーマンは知ってしまう。里親の話はウソで、ハウスを出た子どもたちはすぐに殺され、異形の怪物=鬼の食べ物になることを。GFハウスは「高級食料農園」であり、ママの正体は、子どもを品質管理して出荷する冷酷な「飼育監」だった。

 <私達はずっと食べられるために生きてきたの?>

 エマとノーマン、そしてレイは、GFハウスからの“脱獄”を計画する。それは、年少の弟妹たちも一緒でなければ意味がない。皮肉なことに、美味な「脳」を育てるために英才教育を受けた3人は、大人をしのぐ知力と身体能力を獲得していた。(こう)(かつ)なママを欺く、死をかけたチェスのような頭脳戦の果てに、「決行の日」は来た……。

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1547314 0 一押しマンガ 2020/10/15 10:00:00 2020/10/15 10:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/10/20201013-OYT8I50068-T.jpg?type=thumbnail

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