本格的な治療が必要な時、「診療ガイドライン」が役に立つ

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編集委員・山口博弥

 このコラム「なるほど!医療」を始めたのは今年4月7日。原則、隔週で公開しており、ほぼ半年がたちました。

 改めて振り返ると、新型コロナウイルスに絡む話がほとんどです。たしかに、感染拡大は今も収束の見通しが立たず、国民の最大の関心事の一つには違いない。でも、私たちを苦しめる病気は新型コロナウイルス感染症だけではないのに、コラムがなんだか「なるほど!コロナ」になってしまったと、少し反省しています。今後はもっと幅広く、医療・健康の話を書いていくつもりです。

最前線の専門医が最善の治療法を紹介

 ということで、今回のテーマは「診療ガイドライン」(以下、診療指針)。

 「ちょっと難しそうだな」と思った読者もいるかもしれません。でも、もし、本格的な治療が必要な病気になった場合は、診療指針を読まない手はありません。ぜひ、お勧めします。

 インターネット上には膨大な医療情報があふれています。発信するのは医師だったり、大学病院だったり、患者だったり。中にはいい加減な情報や古い情報もあり、中身は玉石混交で、どの情報を信じていいのか、迷う人も多いのではないでしょうか。

 一方、診療指針とは、ある特定の病気の検査、診断、治療、予防などについて、その分野の最前線で診療・研究している専門医たちが、「ガイドライン策定委員会」といった組織を作り、国内外のエビデンス(信頼できる臨床試験に基づいた科学的根拠)をできる限り集め、複数の選択肢を比較・検討し、現時点で最善と思われる方法を推奨するものです。多くは学会が作成しますが、厚生労働省の研究班が作る場合もあります。(※エビデンスについては、6月に書いたコラム「医師が使う『科学的根拠(エビデンス)』とは」をご覧ください)

 どの医師も何らかの専門性を持っていますが、自分が得意とする病気の患者ばかりを診療するわけではありません。たとえば市中病院に勤務する内科医Aさんが、大学にいたころは糖尿病を専門にしていたとしても、診療の現場では消化器や呼吸器といった専門外の病気の患者も診るわけです。開業医Bさんなら、内科が専門でも耳鼻咽喉科や皮膚科といった内科以外の患者を診ることもあるでしょう。そんな時、分野ごとに診療指針があれば役立ちます。現時点でのベストの標準治療が書いてあるからです。これにより、医師による診療の質のばらつきを抑える(「均てん化」する)ことができるメリットがあります。

 ここまで読むと、「なんだ、診療指針って医師のためのものじゃないの?」と思われるかもしれません。たしかに、基本的には医師用に作成されたものです。難解な用語もたくさんある。でも、患者が読んでも大いに参考になるのです。

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1506895 0 なるほど!医療 2020/09/29 10:00:00 2020/09/29 10:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/09/20200925-OYT8I50040-T.jpg?type=thumbnail

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