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見習いたい!吉村知事のマスクの扱い方…感染対策に自信がある人たちへ

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編集委員 山口博弥

 隔週火曜日に公開しているこのコラムも、ついに2年目に入りました。いつも読んでくださっている方、本当にありがとうございます。

 コラムの記念すべき(?)1回目(昨年4月7日)のタイトルは、「新型コロナ、症状の有無にかかわらずマスク着用を」でした。当時はまだ、WHO(世界保健機関)が、「せきなどの症状がある人以外がマスクを着けるのは、マスクの無駄遣い」とホームページに記載していたぐらいですから、やや大げさですが、隔世の感があります。もちろん、今はWHOも、症状がない人がマスクを着用することの意義を認めています。

 マスクについては、昨年10月27日のコラム「マスクをしない米国人 外し方が残念な日本人」でも書きましたが、今回のテーマも「マスク」です。

変異ウイルスで感染再拡大、ワクチン接種は進まず…どうすれば?

 3月21日に2度目の緊急事態宣言が全面解除された後、全国的に感染のリバウンド(再拡大)が起きています。おまけに、感染力が強いとされる変異ウイルスが関西で猛威をふるい、東京でも急増、深刻さは増すばかりです。

 頼みの綱であるワクチンは、優先接種の対象者である医療従事者への接種がまだ終わっていません。高齢者への接種は12日から一部地域で始まりましたが、順調に進むかどうかは、海外から供給されるワクチンの量とスピードに左右され、ある意味、綱渡りのような状況が続きそうです。

 純国産ワクチンはというと、主な国内5社のうち4社で臨床試験が続いていますが、年内に供給されるメドはたっていません。おそらく年内は難しいと思われます。有識者組織「新型コロナ対応・民間臨時調査会」(委員長=小林喜光・三菱ケミカルホールディングス取締役会長、前経済同友会代表幹事)が昨年10月にまとめた報告書には、政府関係者の発言として、「日本はワクチン開発において3周半遅れぐらいになってしまっている」と書かれています(なぜ国産ワクチンの開発が遅れているのかについては、4月1日の朝刊解説面で書いたのでご覧ください)。

 大阪府、兵庫、宮城県には今月5日から、東京都、京都府、沖縄県には12日から「まん延防止等重点措置」が適用されましたが、どれほどの効果があるかは分かりません。こうなってくると、「もう打つ手がなくなったんじゃないか」と思っている人も少なくないでしょう。すでに1年以上も不自由な生活が続いているので、若い人たちの中では「もう、いいよ。感染したらしたで、なるようになるさ! 今を楽しまなきゃ!」なんて気分の人が増えてきているような気がします。

 日本に限らず、社会には一定数、「確信犯」のように適切な行動を取らない人たちがいる。そういう人たちには、何を言っても仕方ないと私は諦めています。それよりも、「自分は感染対策をしっかりやっている」と思っている人たちに、今回のコラムは読んでいただきたい。

 国民の大多数がワクチンの恩恵にあずかるまでにはまだ時間がかかるのなら、結局は、私たちひとりひとりが「3密回避」「手指消毒」「マスク着用」を徹底するしかありません。この三つの対策の中で、最も感染予防に有効と思われるのは、3密回避でしょう。そもそも家に籠もって人との接触が一切なければ、感染する機会もありません。でも、社会生活を行う上でそれは無理だから、せめて、三つの密(「換気の悪い密閉空間」「多数が集まる密集場所」「間近で会話や発声をする密接場面」)を避けましょう、ということですね。

 その上で、ウイルスが手や指に付着し、それが口や目の粘膜を通して体内に侵入することを防ぐために、手を頻繁に丁寧に洗う。会話やせきで自分の飛沫(ひまつ)が飛んだり、相手からの飛沫が飛んできたりするのをブロックするために、マスクを着用する。

マスクの取り扱い、多数の政治家が「イエローカード」

 多くの方は、「そんなこと、よく分かってるよ」と思うでしょう。

 しかし、この中でマスクの扱い方については、「イエローカード」を突きつけたくなる人がいまだに多く見受けられます。昨年10月27日のコラムで書いたことの繰り返しになりますが、テレビの記者会見に登場する内閣官房長官や一部の大臣、知事ら多くの政治家たちが、マスクの表面を触って外しているのを見ると、「本当に理解しているのか?」と首をかしげざるを得ません。

 エアコンの中にセットされているフィルターを想像してください。フィルターは、空気が出入りする過程で、ほこりや花粉、小さな虫などをブロックすることで、それらが機械の中に入って故障することを防ぎ、部屋に出す空気をきれいにする役割があります。だから、たまに掃除をすると分かりますが、フィルターを外すとびっしりとほこりがたまっていますよね。

 マスクもあれと同じです。人の呼吸による空気が出入りする過程で、ほこりや花粉だけでなく、新型コロナに感染している人のウイルスを含んだ飛沫を、自分が知らないうちにブロックしてくれている可能性があるわけです。だから、着け始める時以外は常に、「マスクの表面はウイルスに汚染されている」と考えなければならない。それなのに、まずマスクの片耳のひもを外し、次にマスクの表面をつまんで外している政治家たちは、マスク着用の意味を理解しているとはとても思えません。まして、マスクを無造作に折り畳んで背広の胸ポケットにしまうなんて、もってのほかです。

 マスク着用が対策の「ポーズ」と考えているのなら論外ですが、自分では「ちゃんと対策している」と思っている人が、もしこうしたマスクの取り扱い方をしているとしたら、本当に残念なことです。自分に対しても他人に対しても、ウイルスの感染リスクを高めているのですから。

マスクを外す時はひもを持つ…知事提唱の「マスク会食」もやってみた

「まん延防止等重点措置」の国への適用要請を表明する吉村知事(3月31日、大阪市で)
「まん延防止等重点措置」の国への適用要請を表明する吉村知事(3月31日、大阪市で)
大阪市内の飲食店に対する営業時間短縮要請の延長や、府全域への拡大を決め、協力を呼びかける吉村知事(3月26日、大阪市で)
大阪市内の飲食店に対する営業時間短縮要請の延長や、府全域への拡大を決め、協力を呼びかける吉村知事(3月26日、大阪市で)

 対照的に、素晴らしいと思うのは、大阪府の吉村洋文知事です。テレビで見る限り、記者会見でマスクを外す時は、必ず両手で両側のひもを持って外しています。記者に取り囲まれて取材を受ける「ぶらさがり取材」や、立ってマイクを持って何か説明する時、吉村知事は、外したマスクのひもを手首に通して、マスクの表面を触らないようにしているのが分かる。私はテレビを見る度に、心の中で拍手をしています。

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1980133 0 なるほど!医療 2021/04/13 10:00:00 2021/04/23 10:18:27 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/04/20210409-OYT8I50080-T.jpg?type=thumbnail

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