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批判続出、菅首相の「療養方針見直し」…「方向性は間違っていない」理由とは

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編集委員 山口博弥

 新型コロナウイルスの感染急拡大が止まりません。デルタ株の感染力は強く、一部地域や病院では、治療が必要な患者を受け入れることができなくなっています。救えるはずの命が救えない「医療崩壊」が、すでに起き始めていると言っていいでしょう。

「入院者を重症者に絞る」、与野党の批判で軌道修正

 先月からの感染急拡大を受けて、政府は8月2日、 感染急増地域では自宅療養を基本とし、入院患者を重症者や重症化リスクの高い人に絞る 新しい療養方針を打ち出しました。これには、「中等症の患者は入院できないのか」「入院の基準があいまいだ」などと与野党から批判が相次ぎ、結局、政府はわずか3日後、「中等症患者は原則として入院」と軌道修正を余儀なくされました。

神奈川県医療危機対策統括官の阿南英明さん(撮影:編集委員 鈴木竜三)
神奈川県医療危機対策統括官の阿南英明さん(撮影:編集委員 鈴木竜三)

 「 療養方針の見直しは、方向性としては間違っていなかった

 そう語るのは、神奈川県医療危機対策統括官の阿南英明さん(55)です。

 「自宅療養者へのパルスオキシメーターの配布や往診・オンライン診療なども、私たちがすでに実施していること。ただし、こうした施策を実現するためには、様々な仕組みを整えておいてこそ、実施可能になります。非常に多くの関係者が関わる中で、共通の基準をもって、入院と入院以外を適切に振り分けるための方法はどうするのか、自宅宿泊療養でどのような管理体制を実現するのか、どうやって悪化した人を適切に入院へつなげるのか、などです。今回は政府の発表が唐突すぎて、驚いた自治体は多かったはずです。そういう意味では、やや無責任な印象は受けましたね」

 私は 8月5日付本紙朝刊解説面「論点スペシャル」 で、阿南さんを取材しました。救急医学や災害医学が専門の医師であり、日本のDMAT(災害派遣医療チーム)の創設に関わった一人で、藤沢市民病院救命救急センター長を経て、2019年から同病院の副院長を務めています。昨年2月、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の集団感染に対処した経験から、県の感染対策の陣頭指揮を執る現職に就きました。

自宅・宿泊療養で済む軽症患者が大勢入院していた

 阿南さんが、2日に発表された療養方針の見直しを「間違っていなかった」と語った背景を理解するために、同じ「論点スペシャル」の記事を引用しましょう。急性期病院の分析・経営支援を行うグローバルヘルスコンサルティング・ジャパン社長の渡辺幸子さん。猪熊律子編集委員がインタビューしました。

グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン社長の渡辺幸子さん(撮影:編集委員 鈴木竜三)
グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン社長の渡辺幸子さん(撮影:編集委員 鈴木竜三)

  第4波でコロナ患者を受け入れた約500病院のうち、軽症の約1万症例を分析したところ、基礎疾患がない64歳以下の患者が軽症全体の6割近かった。重症化リスクが低く、自宅や宿泊療養でも可能と考えられる人がベッドを占めていた形だ。

  入院後の病院同士の役割分担も進んでいない。大学病院は本来、中等症や重症患者を診るのがふさわしいが、8割が軽症から重症までを受け入れていた。

 感染症法では、新型コロナの軽症患者はもちろん、まだ疑い段階の人も入院させることができます。今年2月の法改正で、高齢者など重症化のおそれがある患者には入院を勧告し、それ以外の患者には宿泊療養・自宅療養の協力を求めることになりましたが、渡辺さんらの調査の結果、宿泊や自宅療養で済む軽症の人たちがたくさん入院していたことが分かったのです。

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2307884 0 なるほど!医療 2021/08/24 10:00:00 2021/08/27 16:29:24 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/08/20210820-OYT8I50032-T.jpg?type=thumbnail

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