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治療はつらいよ?…前立腺がん医療の「舞台裏」

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編集委員 山口博弥

 8月25日から9月2日まで、本紙朝刊くらし家庭面「医療ルネサンス」で、 「前立腺がん 治療報告」(全7回) が掲載されました。昨年12月に掲載した 「前立腺がん 記者の選択」(全5回) の続編です。

 今回のコラムでは、この連載に紙幅の関係で載せられなかったことを書きたいと思います。

「女性化」で武道や格闘技への興味がなくなったら、どうしよう?

 まず、 1回目 のホルモン療法について。

 前立腺がんは、男性ホルモンが刺激になって増殖します。だから、このホルモンを抑える薬剤を注射することで、がんをおとなしくさせるのがホルモン療法の狙いです。

 ただ、男性ホルモンには文字通り、<男性を男性たらしめる役割>があるのですから、それを抑えると心身にいろいろな変化が生じます。記事では、「女性化」という表現を使いましたが、実際、「性格が穏やかになった」という患者の体験記も読みました。

 治療前に私が心配したのは、大好きな武道や格闘技への興味までなくなってしまうのではないか、ということ。どうでもいいことなのかもしれませんが、「自分が自分でなくなってしまうのか?」という不安が生じたのです。妻にそのことを話すと、こう言われました。

 「武道をやりたいのにできなくなるのはつらいだろうけど、そもそも関心がなくなるのなら、しなければいいだけの話だから、別にいいんじゃないの?」

 「言われてみれば、そうだな」と、妙に納得しました(笑)。

 今、ホルモン療法を始めて10か月以上が過ぎました。性欲は消え去りましたが、幸い、武道や格闘技への興味は変わっていません。コロナ禍のせいで、稽古にはなかなか参加できなくなったものの、仕事帰りの電車内ではスマホで武道や格闘技の無料動画をよく見ています。少なくとも私の場合、性格や趣味、 ()(こう) への影響はない、と言ってよさそうです。

 ただ、ホルモン療法で赤血球の数値が減少して貧血ぎみになり、筋肉量も減ったせいか、明らかに体力が落ちました。また、女性の更年期障害でも表れるホットフラッシュ(ほてり)にもうんざりです。このコラムの原稿を書いている間にも度々襲われ、上半身がカーッと熱くなっています。ただでさえ暑がりなのに……。

 私が治療を受けている東京慈恵医大病院の青木学・放射線治療部教授は「若い人の方が男性ホルモンの値が高いから、治療でそれが低下すると、ギャップが大きくなる。だから山口さんは、高齢の人よりはつらいのかもしれませんね」と話していました。前立腺がん患者の3分の2は70歳以上と言われていますから、いま58歳の私は、たしかに若い部類に入ります。

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2345242 0 なるほど!医療 2021/09/07 10:00:00 2021/09/09 16:51:44 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/09/20210903-OYT8I50051-T.jpg?type=thumbnail

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