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新型コロナウイルス対策で19都道府県に発令されていた緊急事態宣言と、8県に適用されていたまん延防止等重点措置が、10月1日にすべて解除されました。宣言や重点措置がどの地域にも出ていないのは、今年4月4日以来ほぼ半年ぶりですから、ほんとに長かったですね。
喫緊の課題…コロナ「第6波」抑止、社会経済活動の再開

そして、昨日10月4日には自民党新総裁の岸田文雄氏が第100代の首相に指名され、岸田新内閣が発足しました。喫緊の課題はもちろん、新型コロナの感染拡大「第6波」の抑止と社会経済活動の再開です。そもそもこの二つの対策は、人流の面ではまったく相反するわけですから、誰がリーダーになっても「最適解」を見いだすのは難しい。世界の他の国を見ても、それは同じです。
そんな中、指導者に求められる姿勢の一つは、こう言っても間違いではないでしょう。
根拠に基づく政策立案(EBPM=Evidence-Based Policy Making)を基本としつつ、市井の人々が抱える困難やつらさに思いをはせて対策を講じ、国民の納得を得る説明を丁寧に行うこと。
言い換えれば、リーダーには、「科学」と「人間」の両方をよく理解することが必要、と思うのです。
文系人間の私が医療取材を希望したわけ
ここで、私の個人的な話をしましょう。
私が弊社編集局の医療情報室(現・医療部)に配属されたのは、1997年9月。希望がかなっての異動です。それから月日が流れ、途中、現場から外れた期間を除いても、医療取材をかれこれ20年以上続けていることになります。
取材をしていると時々、相手から「理系出身ですか」と聞かれることがありますが、違います。私は法学部出身で、正真正銘の文系人間です(と言っても、4年間、ろくに授業に出ずに少林寺拳法部の部室に入り浸り、学問にしっかり向き合わなかったことを今ではとても後悔しています)。
では、なぜ、そんな私が医療取材を希望したのか。主な理由は二つあります。
一つは、妻がいろいろな病気を抱えていたこと。慢性頭痛、先天性心疾患(心室中隔欠損)、うつ病、脊柱
もう一つの理由は、「医学」は科学ではあるけれど、「医療」はきわめて人間的なものではないか、と考えたことです。特に、弊社の医療部が担当する朝刊家庭面の「医療ルネサンス」は、単に、記者が医師を取材して、病気の症状や治療法、予防法などを紹介する記事ではありません。患者さんを取材し、その病気体験を通して医療の姿を伝える記事です。これなら、文系人間の私でも取材できるのではないか、そう思ったのです。
最初は、医療の基礎知識がないので、分からないことだらけでした。ただ、実は新聞記者の仕事って、どの分野でもほとんどそうなのです。初めて取材するテーマはちんぷんかんぷん。でも、事前に勉強して、専門家に会って話を聞き、現場(当事者)を取材する。これを繰り返し、知識と経験を積み重ねていく。私もこうして、少しずつ医療の知識を増やしていきました。
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