今こそ語りたい 「ねじまき鳥クロニクル」舞台版

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編集委員 祐成秀樹

 先月、読売演劇大賞の選考委員の皆さんに集まっていただき、上半期(1―6月)の演劇界を総括する座談会を開きました。その際、盛り上がった話題は、印象に残った舞台に関するもの。確かに、コロナ禍で公演が次々と中止になると、不安が先立って演劇談議をする気になりませんでした。そんな気持ちが解き放たれたのでしょう。こんな経験があったので、私も座談会で話題になった「ねじまき鳥クロニクル」のことを語りたい! そこで、今回は、遅ればせながら、同作にスポットライトを当てます。言わずと知れた村上春樹さんの傑作の舞台版です。

奇妙な男女の奇妙な話

登場人物の状況や心情は、神出鬼没のダンサーが表現。中央は加納クレタ役の徳永えりさん 写真・田中亜紀
登場人物の状況や心情は、神出鬼没のダンサーが表現。中央は加納クレタ役の徳永えりさん 写真・田中亜紀

 主人公トオルは仕事をやめて東京の世田谷でフラフラ暮らしている。彼が行方不明の飼い猫を探していると、空き家の庭で風変わりな高校生メイと出会い、()れた井戸を見せられる。それから、謎の女の電話、予知能力を持つマルタとその妹クレタ、満州(現中国東北部)とモンゴル国境付近で凄惨(せいさん)な経験をした元軍人の間宮と関わるうちに、妻のクミコが姿を消す。トオルは、奇妙な男女の奇妙な話に導かれるように井戸の底に降りて妻の思い出に浸る。すると、いつしか壁を通り抜けて不思議なホテルにたどり着き、ここにいるはずのクミコを助けだそうとする。舞台版はこんな中身。エピソードが重層的に展開する長大な原作から、夫婦の機微、性愛、戦争、暴力、死、孤独、人間の表裏、深層意識といったエッセンスを抽出し、その核心に迫りました。

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1405071 0 スポットライト 2020/08/13 10:00:00 2020/08/13 10:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/08/20200811-OYT8I50042-T.jpg?type=thumbnail

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