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コロナ疲れの日本人にエール 厳冬の富山で最後の巨匠・鈴木忠志が公演

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編集委員 祐成秀樹

 2021年の最初にスポットライトを当てるのは、演出家の鈴木忠志さん。81歳にして創造力旺盛で世界的に大活躍。浅利慶太さん、蜷川幸雄さん亡き後、演劇界の「最後の巨匠」とも言える存在感です。昨年12月26、27日は、主宰する劇団SCOTが、富山県の豪雪地帯・南砺市利賀村で「年忘れ」公演を開きました。その模様をリポートします。

鈴木忠志さん
鈴木忠志さん

 なぜ利賀なのか?それはSCOT、すなわちSuzuki Company of Togaの本拠地だからです。鈴木さんは1960年代、前衛的な作品で、唐十郎さん、寺山修司さんと共にアングラ演劇の旗手として注目されました。76年に、稽古に集中できる場を求めて劇団ごと利賀に移住。合掌造り民家を改造した劇場兼稽古場で、独創的な作品を作り続けています。

伝統的な様式美 思考促す舞台

 舞台で目を引くのは、日本の伝統的な様式美です。俳優たちは、上半身を微動だにせず水平移動できるほど足腰を鍛え、浄瑠璃語りのように太く多彩な声色でセリフを操ります。そして、台本が刺激的です。ギリシャ劇から股旅物まで古今東西の戯曲や小説、歌詞など多彩なテキストを構成しており、人間が直面する問題へ思考を促します。また、上演する場も素晴らしい。太い柱の間に空間が広がる民家の構造を生かした劇場や、山並みや夜空を背景に観劇できる野外舞台などがあります。夏に利賀で開かれる演劇祭に行く度、戦争の傷、老いの悲劇、国家と宗教、日本の衰退、文豪の深層、男の心意気、女心の謎など、色んなことを考えます。

プーチン大統領とも会談

 独創的な作品は、海外でも絶賛され、鈴木さんは世界の演劇人から尊敬されています。創設に尽力した舞台芸術の祭典「シアター・オリンピックス」に関連して、ロシアのプーチン大統領とも会談しました。とはいえ、鈴木さんの名前を初めて聞く人も多いのでは。その理由の一つは、SCOTは主に利賀と海外で活動しているから。東京公演は年末に短期間しか行いません。

 昨年暮れの東京公演は、コロナ禍で中止に。ですが、活動を継続し、発信することが重要と考え、96年以来となる師走の利賀公演を行うことにしたそうです。内容は「ニッポンジン」と「世界の果てからこんにちは2」の連続公演。激動した2020年の「年忘れ」公演ですから、何か感じられると信じて26日に行きました。冬の利賀は初めてです。

ディスタンス保ったバスで2時間

 利賀へは、富山駅午前11時発の連絡バスで。検温し、アルコールで(てのひら)を消毒してから乗車。客1人に2人掛けシートが割り当てられています。

雪の舞う中、利賀大山房(左)に向かう
雪の舞う中、利賀大山房(左)に向かう

 駅前は小雨模様でしたが、山道に入ると周囲は真っ白。曲がりくねった坂を行くバスの揺れに身を委ね、時折、眼下に広がる谷の深さに驚きながら約2時間を過ごすと、利賀芸術公園の看板が見えました。今でこそ、道路は整備されていますが、鈴木さんたちが移住した1970年代は、どれほど不便だったのか。積み重ねてきた苦労と工夫を考えてしまいます。

 受付で再び検温、消毒。使い捨てカイロを3枚も手渡されて会場の利賀大山房に。体育館を改造した広い空間です。

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1752374 0 スポットライト 2021/01/07 10:00:00 2021/01/07 10:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/01/20210105-OYT8I50053-T.jpg?type=thumbnail

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