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真珠の輝きと圧倒的な華…舞踊歴70年、森下洋子の「白鳥の湖」

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磨き抜かれたたたずまいで優しい光

第2幕は純白の世界が現出した(松山バレエ団提供)
第2幕は純白の世界が現出した(松山バレエ団提供)
温かさに満ちた森下さんと大谷さんの踊り (C)エー・アイ 撮影・飯島直人
温かさに満ちた森下さんと大谷さんの踊り (C)エー・アイ 撮影・飯島直人

 一転して第2幕は純粋な世界。真っ白な衣装に身を包んだオデット姫が王子と魂の交流を繰り広げます。オデットの登場場面は、アラベスクという片脚を後ろに持ち上げるポーズから胸をそらして腕を羽ばたかせる一連の動きが印象的なところですが、森下さんはこれ見よがしに踊りません。年齢によって衰えるどころか、磨き抜かれて角が取れたたたずまい。ゆったり演奏される音楽に身を任せて、小ぶりでも整ったポーズを紡ぎ出してオデットの清らかさを印象づけます。とはいえ、か弱くはありません。両腕を上げてつま先立ちするポーズの力強いこと! 共演者の誰より大きく見え、かつて「東洋の真珠」と称された通り、心の奥底から優しい光を発しているようでした。

 王子役は、昨年から森下さんの相手役を務める27歳の若手・大谷真郷さん。音楽と同調した腕のしなやかな動き、飛形の整った跳躍などから成長ぶりがうかがえました。彼の安定度が増した分、オデットと王子が愛を確かめ合う見せ場「グラン・アダージオ」の感動が高まりました。オデットが王子に身を任せる瞬間、心地よい温かさが広がったのです。

全身から輝き 華やかに、小気味良く、スピーディーな技も

 しかし第3幕の印象は、全く違います。ファンファーレが鳴り、ロットバルトのマントの中からオディールが現れる場面で、力強いポーズを決めた森下さんは全身から輝きを放っていました。王子の花嫁候補である各国の王女たちと一緒に踊る時はひたすら明るく、王子とのパ・ド・ドゥは粋で小気味良く。終盤は、シェネという移動しながら回転する技を、全く軸をぶらさずにスピーディーに決めました。圧倒的な華を見せたのです。

各国の王女たちと踊る華やかな場面も (C)エー・アイ 撮影・飯島直人
各国の王女たちと踊る華やかな場面も (C)エー・アイ 撮影・飯島直人

 清水版のオディールは、悪魔にさらわれた高貴な娘で、オデットに憧れを抱いているという独特な設定です。だからこそ、森下さんは、ありがちな (よう)(えん) さを強調する演技をせず、オデットと同様に純粋な心を持った女性を造形したのでしょう。その結果、王子は一時、完全に心を奪われますが、悪魔のわなだと知るやオデットを助ける決意をします。

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2206621 0 スポットライト 2021/07/15 10:00:00 2021/07/15 10:06:24 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210713-OYT8I50071-T.jpg?type=thumbnail

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