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大人のタカラジェンヌの爽やかな引き際 轟悠さん退団公演

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編集委員 祐成秀樹

 宝塚歌劇団の男役の頂点、「トップ・オブ・トップ」と称された轟悠さんの最後の主演舞台となった星組公演「 婆娑羅(ばさら)玄孫(やしゃご) 」が2021年7月29日、東京で千秋楽を迎えました。温かさに満ちた舞台で、観劇して1か月が過ぎた今もさわやかな余韻が残っています。そこで、今回は轟悠さんにスポットライトを当てます。

華麗な太刀さばきを見せる細石蔵之介(轟悠さん、中央右)(C)宝塚歌劇団
華麗な太刀さばきを見せる細石蔵之介(轟悠さん、中央右)(C)宝塚歌劇団

トップ・オブ・トップ 宝塚の男役を体現

轟悠さん(2014年)
轟悠さん(2014年)

 轟さんは熊本県出身。1985年に宝塚歌劇団に入団し、97年に雪組トップスターになりました。キリリとした目、ギリシャ彫刻のような整った顔立ち。重厚な存在感と人間味に哀感を漂わせる演技でステージを飾っていました。2002年に組の枠を超えて舞台に立つ専科に異動し、翌年は劇団運営に参画する理事に就任。すなわち「宝塚の至宝」こと春日野八千代さん(2012年死去)の後を継ぎ、宝塚の男役を体現する存在となったのです。現在は特別顧問を務めています。

 04年にインタビューした時は、目の輝き、豊かに響く低い声、そして深みのある言葉に感心しました。後輩への助言を求めるとこんな答えが。

 「見せ方のうまい子が増えましたが面白みに欠けますね。男役は型を作らないと駄目だし、娘役は素を出してはいけません。その上で、中身のある演技が出来ないとコロモだけが厚い天ぷらになってしまいます。選んだ道をとことん追究してほしいですね」

俳優道を「とことん追究」 演劇大賞で絶賛

 この発言は、自身を律するものでもあったのでしょう。轟さんは「とことん追究」して進化し続けたのです。2010年代に入ると、読売演劇大賞の選考会で、度々名前が上がるようになりました。17年には、米大統領リンカーン役で主演した「For the people ―リンカーン 自由を求めた男―」の演技で優秀女優賞に輝きました。その時、轟さんは、奴隷解放のために周囲の人を動かすほどの強い意志を貫く大統領を造形しながら、父親として面倒を見てやれなかった息子を気にかけ続けるという、大人の俳優でないと難しい心の揺れを表現したのです。選考会では「宝塚というジャンルを極めた」「宝塚の男役の一つの典型、美学を作り上げ、さらにその枠を広げていた」と絶賛されました。劇団外からも高い評価を受けたのです。

極めて退団を決意 「時がきた」

轟悠さん(2021年)
轟悠さん(2021年)

 しかし、今年3月、轟さんが10月1日付で退団することが 発表 されました。「時がやってきたことに気付き、素直に心に従おうと決めた」と、理由を記者会見で明かしました。「極めた」状態、すなわち、キャリアのピークで決断したのです。会見では、轟さんらしい発言もありました。「『男役とは何だろう』という心を忘れず、最後まで追い求めていきたい」とも語りました。


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2331980 0 スポットライト 2021/09/02 10:00:00 2021/09/02 14:56:16 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/08/20210824-OYT8I50033-T.jpg?type=thumbnail

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