仲間に力を、駆けつけたい…バレエ大国ウクライナから退避したダンサーたちの複雑な思い

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編集委員 祐成秀樹

 ロシアの侵攻が続くウクライナは、バレエが盛んな国です。その関連の取材は、バレエ専門記者の私にとって重要な仕事になっており、先日、朝刊に記事が載った キエフ・バレエ団芸術監督補佐の寺田宜弘さん(45)キエフ・クラシック・バレエ団のエフゲニー・ペトレンコさん(28)、長澤美絵さん(36)夫妻 からお話をうかがうことができました。そこで、今回は「ウクライナとバレエ」にスポットライトを当てます。

ロシア戦死者、少数民族地域が突出…「激戦地への投入」差別的と反発の動き

ニジンスキー、マラーホフ、ザハーロワ…名バレエダンサーを多数輩出

キエフ・バレエ団の「白鳥の湖」(光藍社提供)
キエフ・バレエ団の「白鳥の湖」(光藍社提供)

 まず、ウクライナゆかりのバレエダンサーを挙げてみましょう。20世紀初頭に伝説を残したヴァツラフ・ニジンスキーさんは同国で生まれました。近年は、ウラジーミル・マラーホフさん、スヴェトラーナ・ザハーロワさん、セルゲイ・ポルーニンさん、アレクサンドル・リアブコさん、レオニード・サラファーノフさんと日本でもおなじみのスターを輩出しています。

 バレエ団も粒ぞろいです。寺田さんのいるキエフ・バレエ団は、1867年創立の名門で、ウクライナ国立歌劇場を本拠地に世界中で公演を開いています。ペトレンコさんらが所属するキエフ・クラシック・バレエ団は、本拠地のキエフ市立アカデミー・オペラ・バレエ青少年劇場で週2、3回公演するほか、国内外のツアーも行います。このほか、キエフ・シティ・バレエ団とキエフ・グランド・バレエ団は、海外公演中に侵攻が始まったため帰国が難しくなったことがニュースになりました。ロシア・バレエの優雅さや音楽性、高い技術を身に付けつつ、独特の温かさを持つウクライナのダンサーたちが世界を魅了しているのです。

ウクライナとの懸け橋、寺田宜弘さん

ウクライナ国立歌劇場で。(左から)V.マラーホフさん、L.サラファーノフさん、A.ガブリシキフさん、A.グリゴーリワさん、寺田宜弘さん(光藍社提供)
ウクライナ国立歌劇場で。(左から)V.マラーホフさん、L.サラファーノフさん、A.ガブリシキフさん、A.グリゴーリワさん、寺田宜弘さん(光藍社提供)

 日本とも長い交流があります。キーウ(キエフ)市と京都市は姉妹都市。その縁から1975年にキーウ国立バレエ学校と寺田さんの両親が創設した寺田バレエ・アートスクールは姉妹校になりました。以来、生徒を派遣し合ったり、合同公演を開いたり。その一環で、寺田さんは11歳の時にキーウ国立バレエ学校に留学しました。卒業後は、キエフ・バレエ団で大活躍。12年にはバレエ学校の芸術監督に就任し、昨年からバレエ団の芸術監督補佐を務めています。その間、チョルノービリ(チェルノブイリ)原発事故の被害者の支援活動や、東日本大震災復興支援のチャリティー公演を行っています。日本とウクライナの懸け橋となる活動を展開し、両国のダンサーから慕われているのです。

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2919411 0 スポットライト 2022/04/14 10:00:00 2022/04/14 13:13:54 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/04/20220412-OYT8I50084-T.jpg?type=thumbnail

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