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酒は百薬の長にあらず…「それでもやめられない」人ができること

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編集委員 山口博弥

 新型コロナウイルスが日本に上陸して、1年3か月余が過ぎた。この間、使われる頻度が増えた言葉に、「行動変容」がある。

 感染拡大防止には、3密回避など国民の行動変容が不可欠、といった使われ方だ。ただ、この言葉は従来、「適度な運動や食生活の改善」など、生活習慣病予防の文脈で出てくることが多かった。

外出自粛や在宅勤務、「節度のある飲酒」は難しい
外出自粛や在宅勤務、「節度のある飲酒」は難しい

 食生活の行動変容の中で難しい一つが、「節度のある飲酒」である。特に今は、外出自粛や在宅勤務のストレスで、家での飲酒量の増加が懸念されている。

 酒は百薬の長。適量の飲酒習慣は健康に良い――。そう思っている人は多いはず。根拠はある。1980~90年代に行われた国内外の複数の研究で、アルコール摂取量が1日平均20グラム程度の人は、飲まない人よりも死亡リスクが低い、という結果が出た。

 厚生労働省が定めた健康の目標値「健康日本21」でも、「節度ある適度な飲酒」は純アルコールで1日平均20グラム程度。ビールなら中瓶1本、日本酒なら1合にほぼ相当する。

 ところが、2018年8月、酒好きにはショッキングな研究結果が英医学誌ランセットに掲載された。

 1990~2016年の195の国・地域におけるアルコール消費量と、死亡、がんや心臓などの病気、けが、自傷などとの関係を分析したところ、健康への悪影響を最小限に抑えるアルコール量は、ゼロ。つまり、「まったく飲まない方が健康には良い」という結論になったのである。

 酒の害を示す報告や研究は、実はたくさんある。

 2010年にランセットに掲載された報告では、英国の専門家たちが20の薬物の害を、死亡率や病気、けが、依存性、犯罪、家族関係など16の基準で採点した。結果は、ヘロインやコカインなどの薬物を抜いて、アルコールが最も有害だった(たばこは6位)。

 国内研究も多い。1日23グラムのアルコール摂取を10年続けると、がんのリスクが5%上がる(食道がんは4倍以上)。脳のMRI(磁気共鳴画像)の膨大なデータで飲酒習慣との関係を調べると、酒を飲む人ほど脳の萎縮いしゅくが進んでいた――。

 「もう、たくさんだ!」。そんな酒飲みの声が聞こえてきそうだ。しかし、いずれも科学的根拠のあるデータ。事実は事実として受け止めるしかない。

 受け止めはするが、記者自身は酒をやめるつもりはない。約40年もの間、自分の喜怒哀楽に付き合ってくれた酒に、害を上回る「益」を感じているからだ。

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