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独禁法「9条廃止」を巡る政官財の思惑

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経済部デスク 山下福太郎

 「9条改正」。戦後、経団連は一貫して党是ならぬ“団是”としてきた。この10年ほどはさらに「廃止」まで踏み込み、ほぼ毎年、政府に要求書を突きつける。

記者会見する経団連の中西宏明会長
記者会見する経団連の中西宏明会長

 戦争放棄を定めた日本国憲法の話ではない。「経済憲法」とも称される独占禁止法の第9条。総資産が15兆円を超え、かつ、有力子会社を持つ主要事業が五つ以上となる巨大な持ち株会社の設立を禁じる。

 これだけ世界で企業の合併・買収が相次ぐ中、9条の存在が自由な事業活動を阻害するのではないか。財界総本山にはそんな考えがあるのだろう。

 9条の廃止をかす「差し迫った脅威」の一つが、米GAFAの台頭である。グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム。ITや情報を支配する4社は、コロナ禍さえ商機にして自動車、ゲームなど日本のお家芸でも攻勢を強める。株式時価総額は4社で日本の全上場企業の合計に迫る。「15兆円」が足かせの日本勢は規模では対抗できそうにない。

 「9条」を巡って注目を集める存在がNTTだ。同社はグループの総資産15兆円超、有力子会社を持つ主要な事業分野が四つとなる。仮に多角化や規模拡大に向け異業種大手の買収に踏み切れば、「9条に抵触する可能性が出る」(法曹関係者)という状況にある。

 同社の前身、日本電信電話公社は、戦後の国内通信市場を一手に担ってきた。1985年(昭和60年)、国鉄、たばこを含めた3公社の民営化を「戦後の総決算」の一つに掲げた中曽根内閣の下でNTTに至る。その後、「移動」「地域」「長距離」といった主要通信事業が本体から分割・切り離され、平成の30年間はグループの遠心力が強まる。

 令和に入ると一転して、NTTドコモを完全子会社化した。日本の大手企業とは資本面を含めた関係強化を急ぐ。「経済安全保障の流れにも合致する」。澤田純社長はGAFAへの対抗意識を隠さない。菅内閣も、そうした再結集と巨大化路線を容認している。

 もっとも財界世論には9条廃止への支持があまり多くない。国内市場だけを考えれば、NTTの巨大化が進むと自社の経営は圧迫されかねない。97年の9条改正で持ち株会社の設立が解禁され、多くの大企業にとって更なる改正や廃止は意義が薄れた。

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2011374 0 広角多角 2021/04/26 11:46:00 2021/04/26 11:46:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/04/20210426-OYT8I50017-T.jpg?type=thumbnail

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