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幹事長室から見た自民総裁選の裏側

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編集委員 吉田清久

 自民党総裁選が白熱化すると、きまって書棚から一冊のファイルを取り出す。

 タイトルは「自由民主党総裁選挙 こぼれ話」。筆者は元自民党幹事長室長の奥島貞雄さん(2017年死去)である。30年間にわたり、自民党幹事長室で田中角栄から加藤紘一まで、22人の幹事長に仕えた。歴代の自民党実力者の素顔を知る人物だ。

元自民党幹事長室長・奥島貞雄さん
元自民党幹事長室長・奥島貞雄さん

 奥島さんは若い頃から相当な「メモ魔」だった。ファイルは長年のメモをまとめたもので、06年総裁選で取材した際、本人からコピーをもらい受けた。

 「こぼれ話」は派閥全盛時代の自民党裏面史でもある。「角福戦争」「大福対決」など、派閥の 領袖りょうしゅう たちがしのぎを削った様子が生き生きと記され、何度読み返しても興趣が尽きない。

 奥島さんは「この目で見てきた総裁選は 熾烈しれつ で、まさに権力闘争。人間ドラマもありました」と語ってくれた。

 戦後政治史に残る場面に何度も立ち会い、実力者たちの心情を垣間見た。

 1987年10月、中曽根後継を争った総裁選。安倍晋太郎、竹下登、宮沢喜一の3人が手を挙げたが、最終的に中曽根康弘総裁の裁定にゆだねられた。

 真夜中の総裁応接室で伊東正義政調会長が3人を前に裁定文を読み上げた。

 その瞬間、奥島さんは総裁応接室の片隅から3人がどんな表情でいるか、目を凝らした。

 後継に指名された竹下氏は最初、裁定文に目を落としていたが、やがて目を閉じ、腕組みしながらじっと聞き入った。さっぱりとしていた。安倍氏は途中で、文書をさっと閉じてこちらも腕を組んだ。開き直ったふうだった。宮沢氏は最後まで文書から目を離さず、冷静な感じだったという。

 「まさに三者三様。それぞれの日頃の姿をそのまま映していた」と奥島さんは記している。

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