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終活する若者に思う

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編集委員 森川暁子

 社会部の若手記者が、「若者も『終活』が気になっている」という原稿を書いて持って来た。就職活動をさす「就活」ではない。人生の終わりを想定して準備をする終活だ。

 インターネットリサーチ会社「楽天インサイト」(東京)が2019年4月、20~60代の1000人に行った調査で、「終活の意向がある」と答えたのは、30代が46%で最も高かったという。20代も37・6%で前年の調査より6・6ポイント増えていた。

書店に多数のエンディングノートが並ぶ。ほかに自治体などがつくるものも
書店に多数のエンディングノートが並ぶ。ほかに自治体などがつくるものも

 思い当たるフシはあった。以前シングル女性向けの読者イベントを開いたとき、申込者に関心事を尋ねたら、20、30代で「老後」と書く人が何人もいた。

 終末期医療や葬儀、相続などの意思表示だけでなく、若い人がいう終活には「老後をイメージする」というニュアンスがあるのかもしれない。

 昨年度、文化庁メディア芸術祭マンガ部門で優秀賞を受賞した「ひとりでしにたい」(講談社)は、35歳の独身女性が終活を考える話だ。主人公は、伯母の孤独死をきっかけに、お金、介護、孤立、結婚さえすれば安心なのか――など数々の課題や疑問を直視し、わが身と周囲を見つめ直す。

 作者のカレー沢薫さん(38)が、若い世代が終活に関心を持つ理由をこう語っていた。「『今遊んでいても先々何とかなるだろう』という きのいい時代を経験していないので、早いうちに考えないとまずいと感じているのでは」

 いわゆるバブル入社組の私(55)には、重い言葉だ。若いころ自分の老後や死に方に思いを巡らせる発想はなく、目の前のことだけにかかずらわっているうちに時が流れていた。

 若くして終活に着手する人たちの目には、私が見ているのとは違う世界が映っているのだろうか。

土井隆義・筑波大教授
土井隆義・筑波大教授

 おおむね同世代の、筑波大の土井隆義教授(61)(社会学)に聞いてみた。

 「私たちの若いころは、社会が成長していたので、5年、10年先は全く違う世の中、ということがありました。人生の終わりを考えることにリアリティーがなかったんです。一方で、成長が 平坦へいたん になった時代に育った若年層は、未来を、もっと現在と地続きのものとして見ています」

 なるほど。

 「人生の終わりにどうありたいかを考え、そこから遡って今やるべきことを考える、という終活はいいと思います。先に目標を据えてそこに向かって努力するSDGs(持続可能な開発目標)にも通じる。ただ、ひとの人生は変わっていくものなので、終活もときどき見直してバージョンアップしてほしいですね」

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