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編集委員 片山一弘

 筆者は、気流面「よみうり時事川柳」(東京本社版)の選者を2015年から務めている。もう一人の選者と交代で、連日数百届く読者の投句から6句を選び、土曜日を除く毎日、掲載している。

コロナ関連句ばかりの「よみうり時事川柳」(2020年5月5日の東京本社版)
コロナ関連句ばかりの「よみうり時事川柳」(2020年5月5日の東京本社版)

 2020年2月以降は、新型コロナウイルスに関する投句が圧倒的多数を占めてきた。新規感染者数が激減し、政治イベントが続く最近こそコロナ以外の句を載せることが多くなったものの、特に最初の緊急事態宣言下ではコロナ句が増え、掲載する6句すべてがコロナ関連という日も結構あった。

 コロナ禍が始まって2年近く。状況は変転し続けた。最初の頃はどうだったか、初期のコロナ川柳から、いくつかを抜き出してみる。

 「春節の客顔色を先ず見られ」(2020年1月21日、青鹿一秋)

 「マスクした税の申告だけが混み」(同2月26日、二宮茂男)

 「テレワーク朝昼晩と飯づくり」(同3月9日、メイヒロミ)

 「泣きながらバカ殿様を見て笑う」(同4月2日、関根悟)

 隣国の出来事と思っていた災厄が、自分の日常に侵入してきたことに困惑し、不自由と困窮への怒り、犠牲者への悲しみといった強い感情がわき起こっていく様子がうかがえる。

 新聞などの報道機関は、主に「事実」を伝えるのが仕事だ。コロナ禍の初期でいえば、中国・武漢で始まった感染拡大、特別機による邦人救出、クルーズ船で発生したクラスター、緊急事態宣言などを、その都度伝えてきた。いつ、何が起きたのか、「事実」については、後から記事を調べることができる。

 一方、それらの出来事を、人々はどう受け止め、何を考えたのか。時代の「気分」を、後から把握するのは、なかなか難しい。国民の感情は均一ではないが、全員ばらばらでもなく、集団的に醸成される「気分」のようなものは確かにある。

 そんな曖昧で捉えどころのない「気分」の一端が、これらの川柳には切り取られ、表現されているように思う。作者の心情が同時代の気分にシンクロした時、印象的な句が生まれ、記事とは異なる形で、時代を記録にとどめている。

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