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大物議員の比例復活、完結しない「下克上」

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編集委員 伊藤俊行

 例年より遅く始まったプロ野球のクライマックスシリーズ(CS)では、レギュラーシーズンの下位球団のファン心理を、スポーツ紙などが「下克上」とあおる。最後まで優勝を競った阪神、ロッテはもとより、「下」が「上」を倒して日本一になる可能性があるからこそ、盛り上がる。

 先の衆院選でも「下克上」さながらの現象が起きた。与野党の重鎮、ベテランが持つ小選挙区の「落城」が相次いだことだ。自民党では野田毅・元自治相や甘利明・前幹事長、立憲民主党では小沢一郎・元自由党党首や中村喜四郎・元建設相が象徴的だった。

 もっとも、倒したはずの相手が復活する場合があるから、「下克上」は完結しない。勝者の高揚感も、半分程度だろうか。

 定数1の小選挙区は、好ましくないと考える人物を落選させる「懲罰投票」が効きやすい。

 1990年代のイタリアでは、政党が名簿順位を決める比例代表制だとマフィアとの関係が疑われる政治家も落選させられないという声が、小選挙区中心の制度の導入を後押しした。

 比例選との重複立候補による復活当選は、懲罰効果を薄めるばかりか、「選挙不信」を生みかねない。

 9月の自民党総裁選では現少子化相の野田聖子氏が見直しを唱えたものの、改革機運は高まらない。与野党ともセーフティーネットと見ているからだろう。

 選ばれ方で議員に優劣をつける傾向も、心配だ。

 ある選挙制度の専門家から聞いた、ドイツ人留学生の話は印象的だった。

コール独首相と橋本首相(1996年11月)
コール独首相と橋本首相(1996年11月)

 小選挙区比例代表並立制で初めての96年衆院選で、当時の橋本竜太郎首相が重複立候補しないと知った留学生は「絶対に落としてはならない首相を、なぜ与党は比例1位にしないのか」と首をかしげたそうだ。

 ドイツでは、東西統一を果たしたヘルムート・コール首相が16年間の政権中、小選挙区で何度か敗れ、比例選で救済されている。

 前回まで重複立候補をしていた岸田文雄首相は、今回、小選挙区のみで戦った。小選挙区は「上」、比例選を「下」と見る意識が根強い背景には、復活当選の仕組みも影響している。比例選出議員が首相になったら「下克上」とでも言われるのだろうか。

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