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コロナ再拡大のリスク、「チーズの組み合わせ」で防ぐ

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編集委員 山口博弥

 先日、山形県の温泉旅館に宿泊し、大浴場の湯船につかった。気持ちいい……。笑みがこぼれた2秒後、視線を感じた。湯船の先客がチラッ、チラッとこちらを見ている。「あ!」。すぐに気づいた。マスクを着けたままだったのだ。慌てて脱衣所に引き返した。

 別の日。自宅でテレワークした後、テレビで3年前のドキュメンタリー番組の再放送を見た。数人が近距離で、マスクをせずに大声で談笑している。今の風景じゃないと分かっているのに、一瞬、心が妙にざわついた。まるで、「好ましくない映像」を見てしまったかのように。

 国内で新型コロナウイルスの感染者が確認されて、すでに1年10か月余。マスク着用や3密回避という「ニューノーマル(新常態)」は、私の中ではすでにノーマルになったようだ。

 ニューノーマルや新常態は、もともと経済分野で使われてきた言葉である。

 2008年のリーマン・ショック後に低成長・低インフレが続く米経済や、高成長から安定成長へとかじを切った中国経済など、以前とは異なる経済・金融の新たな常態や常識を指す。

 そのうちに、テロや無差別殺人がどこでも起こりうる欧州の状況や、コロナ禍の新しい生活様式など、経済以外の分野でもこの言葉は使われ始めた。

 社会のある状況や意識が変化し、以前の日常とは違ってしまった時、変化に適応する「覚悟」を私たちに抱かせる言葉。時にそれは、「行動変容」をも促す――。こう定義づけられるかもしれない。

 コロナ禍で私たちは、感染拡大を防ぐ覚悟を決め、多大な犠牲を払って行動を変えてきた。ようやく今、わが国の感染状況は落ち着きを見せている。

 政府は19日、新型コロナの基本的対処方針を改定した。ワクチン接種証明書やPCR検査の陰性証明書などによる「ワクチン・検査パッケージ」を活用し、イベントや飲食に関する行動制限を全面的に緩和する。感染対策と社会経済活動の両立への道筋に、やっと光が見えてきた気がする。

 だが、欧州の一部の国では感染が再拡大し、規制強化の動きが出てきた。ワクチン接種率が日本より高い韓国でも、感染者や重症者が急増した。ワクチン接種から時間が経過し、免疫効果が低下したことが原因と指摘されている。

 わが国でも、いずれは接種済みの人のブレイクスルー感染が増えるかもしれない。油断は禁物だ。

 「スイスチーズモデル」。航空機や工場、医療現場などの事故を避けるリスク管理の考え方で、感染症対策にも適用される。

 スイスチーズには、大小様々な穴が不規則な位置に開いている。これをスライスした1枚ずつが、リスク対策に該当する。単独では穴が開いて不完全だが、異なるチーズ(対策)を複数組み合わせれば、事故を未然に防ぐことができる。

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