「楽しいですよ」とたすきリレー…箱根圧勝の青学大、まぶしい笑顔の訳

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編集委員 近藤雄二

 グリーンのウェアのランナーたちを見ていたら、論語の教えが浮かんできた。

 「これを知る者はこれを好む者に かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如かず」。正月の箱根駅伝。青山学院大が2位順天堂大に10分以上の差をつけ、大会新記録で圧勝した。脳裏に刻まれたのが、選手たちのまぶしい笑顔だった。

笑顔でたすきをつなぐ8区の佐藤一世選手(左)と9区の中村唯翔選手
笑顔でたすきをつなぐ8区の佐藤一世選手(左)と9区の中村唯翔選手

 トップを独走した8区の佐藤一世選手は、9区の中村 唯翔ゆいと 選手にたすきをつなぐ際、「楽しいですよ」と声をかけた。20キロ以上を全力で走った後のセリフに、青学大が求める駅伝のエッセンスがあふれていた。

 原晋監督率いる青学大が、33年ぶりに箱根に復帰したのは2009年だった。初優勝は15年。それから8年で優勝は6度。いつも選手たちは楽しそうで、強い。長距離走=苦行のイメージを覆し、箱根の主役に定着した。なぜ、これほど強く、勢いが続くのか。

 初優勝の際、話題になったのが「目標管理シート」だった。毎月、選手は紙に目標や取り組む具体策を書き寮に貼り出す。原監督が中国電力の営業マンとして成功を収めた手法だ。ポイントは、その際行う「目標管理ミーティング」。学年や競技力に関係なく5、6人のグループを作り、「頑張れば届く目標」を練る。上級生は自然とリーダーになり、上下関係なく話し合う。グループは毎回無作為で、組織の風通しも進む。

 初優勝の頃には選手たちは自らミーティングを開き、目標を作るようになった。自発的だから門限10時、5時起床の生活も練習も楽しみ、試合の笑顔も「目標へ努力してきた自信が自然に作る」と原監督。そんな組織が成熟し、ミスの少ない大人の駅伝ができる。

総合優勝を果たし、胴上げされる原晋監督
総合優勝を果たし、胴上げされる原晋監督

 今大会の優勝記者会見で原監督は「課題、目標は何なのか一人一人が考えて実行する。原がいるからやる、やらないではなく、チーム全体にそれが浸透してきているのが、今の青山学院の強さ」と自律を強調した。

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