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基礎からわかる「コロナワクチン」

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 政府が新型コロナウイルス対策の切り札と位置づけるワクチンは、国内で月内にも接種が始まる。どんなワクチンで、どうすれば受けられるのか。未確定や不明の部分も多いが、現時点での情報をまとめた。

[Q]接種の順番・日程は…医療従事者と高齢者優先

■今月中旬から

 日本で承認の審査が進んでいるファイザー製ワクチンは、15歳以下の臨床試験のデータが少ない。このため接種対象は当面、16歳以上になる。

 接種時期は、大きく3段階に分かれる。感染と重症化のリスクが高い人が優先だ。

 第1グループは、感染リスクが特に高い医療従事者だ。患者と接する機会が多い救急隊員、自衛隊員、保健所職員らも入る。先行接種は2月中旬にも始まる。

 第2グループは、来年3月末までに65歳以上になる高齢者だ。新型コロナにかかると重症化しやすい世代だ。高齢者施設で接種する場合、職員らが一緒に打てる特例もある。政府は4月以降に第2グループの接種を全国で進め、約3か月で完了させる方針だ。

 第2グループの期間が終わるまでに、16~64歳への案内の発送が始まる。それから第3グループとなる高齢者施設の残りの職員らと、心臓病など基礎疾患がある65歳未満の人への優先接種が始まる。

 該当する基礎疾患は細かく分かれるが、医師の診断書などは必要なく、疾患を申告すれば接種できる。感染や重症化のリスクが高いので、健康な人より先にワクチンが行き渡るように配慮したい。優先対象者だけで3グループ5000万人に上る大事業だ。

■接種券配布

 第2グループ以降の接種には、市区町村が発行する接種券(クーポン券)が必要だ。原則として対象者の住民票がある住所に郵送される。高齢者は3月以降、第3グループ以降は4月以降に届く。住民票がある外国人も対象だ。

 接種は該当の市区町村で行う。会場は病院、診療所、体育館などが指定される。インターネットや電話の予約システムを使い、接種を希望する本人が日時と会場を決める。

 当日は接種券と身分証明書を持って、会場に行く。受付で本人確認をした後、インフルエンザワクチンと同じように予診票を提出し、問診を受けてから接種する。接種券に接種したワクチンのシールを貼ると、本人の「接種済み証」になる。

厚生労働省と川崎市の主催で行われた、新型コロナウイルスのワクチン接種会場運営訓練(1月27日、川崎市幸区で)=関口寛人撮影
厚生労働省と川崎市の主催で行われた、新型コロナウイルスのワクチン接種会場運営訓練(1月27日、川崎市幸区で)=関口寛人撮影

 1月に川崎市で開かれた訓練では、受付から接種済み証を受け取るまで13~26分かかった。接種後も急性のアレルギー症状を確認するため、30分ほど会場で待機が必要だ。十分な時間の余裕を持とう。

 接種は2回の見込みで、ファイザー製なら3週間後にもう一度、会場で打つことになる。忘れないようにしたい。

 正当な理由があれば、住民票のない市区町村でも接種を受けられる。単身赴任の場合は自治体に申請し、入院した場合は不要など、理由によって手続きが異なる。詳細が決まるのは、これからだ。

[Q]どんなワクチンか…米英3社製 有効性95~70%

 政府は米ファイザー、米モデルナ、英アストラゼネカの3社のワクチン計3億1400万回分(1億5700万人分)を購入する予定だ。新型コロナの遺伝物質の一部を人工合成して主成分としたもので、ワクチンで本格的に実用化されたのは初めてとなる技術だ。

 ワクチンは上腕の筋肉に接種する。筋肉やリンパ節の細胞に遺伝物質が入り、体内で新型コロナウイルス表面にある突起のたんぱく質が大量に作られる。このたんぱく質の特徴を免疫が記憶し、本物の新型コロナが感染した時に攻撃する。

 3社のワクチンは2回接種が原則だ。2回打つと免疫が増強されるほか、1回で不十分だった人に2回目で免疫をつける狙いもある。ファイザー製は1回目の接種後、約2週間で効果が表れ始める。1回目と2回目の接種は3週間空ける。

 臨床試験のデータによると、2回接種の有効性はファイザー95%、モデルナ94%だ。誰も接種しない集団で20人が発症する場合、接種した集団では1人に減る計算だ。アストラゼネカの有効性は平均70%程度だ。

 ワクチンは重症化の予防効果もあるとされる。感染力が強いとされる変異ウイルスで「効果がやや下がる」という報告もあるが、現時点では有効とみられる。

 ただしワクチンの効果がいつまで持つか、無症状の感染まで防げるのか、ワクチンで感染拡大が止まるかなど、大事な点がわかっていない。接種が済んでも安心とは言えず、マスクや手洗い、消毒、3密を避けるなどの生活は当分変わらない、と考えてほしい。

[Q]打つのは義務か…効果とリスク 判断は自分で

 政府はワクチンについて、昨年12月に予防接種法を改正し、蔓延(まんえん)を防ぐために緊急的な実施が必要な「臨時接種」と位置づけた。国民には接種を受ける努力義務がある一方で、接種の費用は全額国が負担し、国民は無料で受けられる。

 ただ、努力義務は原則で、接種を受けるかどうかの最終的な判断は本人に委ねられる。企業経営者や上司らが、従業員や部下に接種を強制することはできない。

 接種に個人の判断が尊重されるのには歴史的な経緯がある。戦後、予防接種は国民の義務とされたが、一部のワクチンで重い副反応が社会問題となり、1994年の同法改正で努力義務に変わった。

 接種を受ける人は、重症化や発症の予防などのワクチンの期待される効果と、一定の割合で起きる副反応の両方をよく理解しておくことが大切だ。新型コロナに感染すると重症化しやすい高齢者や持病のある人は、健康な若者に比べ、ワクチンの恩恵は大きいといえる。

 ワクチンに詳しい森島恒雄・愛知医科大客員教授は「痛みや腫れ、発熱など一般的とされる副反応も、人によっては重大と受け止めるかもしれない。かかりつけ医によく相談して決めるとよい」と助言している。

[Q]副反応は…異常感じたら 医師にすぐ相談

 ワクチンは、様々な不快な症状「副反応」が起きることがある。多くは免疫力を高める過程で起きる自然な反応で、接種後、数日以内に起きる。ファイザーの臨床試験では、16~55歳で2回目の接種をした後、筋肉の痛みが78%、疲労感が59%、38度以上の発熱が16%の人に生じた。2回目の接種の方が割合は高く、インフルエンザワクチンより多い点は覚えておきたい。

 東京大の石井健教授(ワクチン科学)は「発熱は1日程度で治まる。2日連続で高熱が出るなど、異常が続く時はすぐに医師に相談を」とアドバイスする。副反応の質問を受け付ける窓口や、電話相談のコールセンターが今後、各都道府県に置かれる予定だ。

 接種後30分以内に血圧の低下や呼吸困難などが起きる急性のアレルギー症状「アナフィラキシー反応」は、要注意だ。米疾病対策センター(CDC)の最新の集計ではファイザー製で約20万回に1回、モデルナ製で約36万回に1回。まれだが、ワクチン一般の平均よりやや高い。接種後も会場に待機して、発症したらすぐ注射薬を打てば、症状を抑えることができる。

 接種の注意事項は一般のワクチンに近く、新型コロナワクチン特有の接種禁止の病気などはない。ファイザーとモデルナのワクチンには、化粧品などに含まれる化合物が使われている。アレルギーの病気がある人は、接種前の問診で、医師に必ず申告しよう。

 新技術のワクチンなので、非常にまれな副反応、接種から数か月後以降に出る副反応が見つかる可能性もある。検証は、世界中で続いている。

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1821367 0 解説 2021/02/05 05:00:00 2021/02/17 05:00:15 2021/02/17 05:00:15 厚生労働省と川崎市によって行われた、新型コロナウイルスワクチンの接種会場運営訓練(27日午後2時30分、川崎市幸区で)=関口寛人撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/02/20210204-OYT8I50099-T.jpg?type=thumbnail

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