世界の3極化 より鮮明に…英王立国際問題研究所所長 ロビン・ニブレット氏[視点 ウクライナ危機]

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自発的に加盟を望んだ結果…NATOの東方拡大

 ロシアのプーチン大統領は、北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大に不満を抱き、22年前に実権を握って以来、かつてのソ連の勢力圏を取り戻そうとしてきた。そしてついにウクライナ侵攻に踏み切った。

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Robin Niblett 1961年生まれ。英国を代表する国際政治学者の一人。米欧関係や英国の外交政策に詳しい。米戦略国際問題研究所(CSIS)副所長などを経て2007年から現職。
Robin Niblett 1961年生まれ。英国を代表する国際政治学者の一人。米欧関係や英国の外交政策に詳しい。米戦略国際問題研究所(CSIS)副所長などを経て2007年から現職。

 これについて、米国や欧州諸国による冷戦後の対ロシア政策が誤っていたという見方があるが、それは違う。たしかにNATOは拡大したが、これは旧東側の国々が自発的に加盟を望んだ結果であり、西側が積極的に拡大を進めたわけではない。加盟を望む国々を受け入れたこと自体は間違っていなかった。

 欧米側にミスがあったとすれば、それは2008年のNATO首脳会議でウクライナとジョージアに将来の加盟を約束したことだ。当時の米ブッシュ(子)政権の意向に基づく決定だったが、欧州では両国の安全保障に責任を持つことに慎重論が強く、実態として加盟受け入れの合意はできていなかった。

 実際に両国を受け入れる用意がなかったのだから、将来の加盟を約束するべきではなかった。ロシアに介入の口実を与えてしまった。ロシアはその年のうちにジョージアに侵攻し、ウクライナに対しても関与を強めた。その延長線上に今回の軍事侵攻がある。

 これが国際秩序にもたらす影響は大きい。世界はこの先、ますます3極化が進むことになるだろう。既にある三つのグループの線引きが一層鮮明になるということだ。

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