75回記念の写真展、ひときわ大きく「羅生門」

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75回記念写真展。『羅生門』の写真も飾られている
75回記念写真展。『羅生門』の写真も飾られている

 ベネチア国際映画祭は、今年が第75回の節目の年。上映前にはその歩みを振り返り、受賞作の映像が次々と登場します。きらびやかな作品群の中に、「七人の侍」(黒澤明監督)でおどける三船敏郎さん、「HANA―BI」で銃を構える北野武さんの姿を見つけました。日本作品も映画祭の歩みに貢献してきたのだと、上映のたびに再確認しています。

 映画祭会場に近い「ホテル・デ・バン」では、75回を振り返る写真展が開催されています。作品の場面写真、授賞式の様子、俳優や監督たちのオフショットなどが、ずらりと並んでいます。

 その中で、ひときわ大きな写真が飾られていたのが、黒澤明監督「羅生門」でした。1951年、日本映画で初めて金獅子賞を獲得。戦後間もない中、日本映画の質の高さを世界に印象づけ、映画界だけでなく日本全体に勇気を与えた作品です。イタリア人も、評価しているのでしょう。

写真展の会場となった「ホテル・デ・バン」。「ベニスに死す」のロケ地となったことでも有名
写真展の会場となった「ホテル・デ・バン」。「ベニスに死す」のロケ地となったことでも有名

 ほかにも「雨月物語」を出品した溝口健二監督がはかま姿で、女優を連れて船でベネチア入りする写真、宮崎駿監督の姿もありました。あらためて、日本映画がベネチアで輝いていた軌跡をたどれます。

 溝口監督といえば、今回のクラシック部門で「赤線地帯」が上映されています。写真展を見た流れで上映会場に向かったのですが、なんと長蛇の列。私を含め、70人ぐらいの人たちが門前払いとなりました。ベネチアでの溝口人気、健在です。

 ところで「ホテル・デ・バン」は、ルキノ・ビスコンティ監督「ベニスに死す」のロケ地となったことでも有名です。そして同映画も、今年のクラシック部門で7、8日に上映されます。ベネチアで「ベニスに死す」。見てみたいものです。

出色、ウィレム・デフォーが演じる晩年のゴッホ

「At Etenity’s Gate」Asac - la Biennale di Venezia.
「At Etenity’s Gate」Asac - la Biennale di Venezia.

 3日のプレス試写では、ゴッホの晩年を扱った「At Eternity’s Gate」が心に残りました。監督は「潜水服は(ちょう)の夢を見る」のジュリアン・シュナーベル。自身も画家ということもあり、ゴッホへの深い愛を感じました。

 彼がキャンバスに取り込もうとした景色を、アルルの陽光の中に映し出します。細い線から絵が生み出されていく様子も、興味深かったです。

 なにより、ゴッホを演じたウィレム・デフォーの演技が出色でした。あごひげを生やし、外見も似せています。徐々に周囲との均衡を崩していく、天才・ゴッホの姿を静かに演じました。男優賞の候補ではないでしょうか。(文化部 大木隆士)

39831 0 エンタメ・文化 2018/09/04 14:00:00 2018/09/04 14:00:00 2018/09/04 14:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180904-OYT8I50040-T.jpg?type=thumbnail

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