「攻殻機動隊」など、日本からもVR2作品

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VRシアターでは、大勢の人が一斉にゴーグルで作品を視聴した
VRシアターでは、大勢の人が一斉にゴーグルで作品を視聴した

 「VR(バーチャルリアリティー)」という言葉をご存じでしょうか。いわゆる「仮想現実」と呼ばれるもので、コンピューターで架空の世界を作り、本物のように感じさせる映像技術です。専用のゴーグルを装着すると、360度の映像空間を楽しめます。3D映像とは異なる「没入感」が特徴で、基本は一人で楽しみます。

 ベネチア国際映画祭では、昨年からVR部門が設置されています。VRというと、体験型ゲームのように、視聴者が映像の中身にかかわっていく作品を思い浮かべるかもしれませんが、それだけでなく、物語を楽しむ映画のような作品も多数出品されました。

 会場を訪れ、幾つかの作品を見てきました。

 小さな船を舞台に、老いた船乗りと少女の友情を描く「Age of Sail」。360度大海原ですが、後ろから大きな客船が近づくと、船の明かりや音で観客の視線を巧みにそちらに誘導します。途中、老人が嵐の中、海に投げ出されると、波に翻弄(ほんろう)され、沈んだり浮かんだりする感覚がリアルです。ただそれだけに、気持ち悪くなってしまうかもしれません。

画面に合わせて動く専用の座席で視聴する作品もあった
画面に合わせて動く専用の座席で視聴する作品もあった

 専用の座席が画面に合わせて動く作品では、空を飛ぶ乗り物の後ろに乗り、下降したり旋回したり、街中を駆け抜けたりする感覚を味わえました。

 360度、さらに上下にも視聴できるという特性は、水の中の感覚と相性がいいのかもしれません。例えば「Arden’s Wake:Tide’s Fall」では、父親を救うため、少女が潜水艇で海へ潜ります。前後左右、上下から、魚が近づいてきます。それに合わせて、立ったりしゃがんだり、後ろを向いたり。見る向き、角度によって、映像が変わります。いろいろ体を動かすことになるので、鑑賞中の人を横から「観察」すると、なかなか面白いです。

 ただ、少し面食らった作品もありました。暴力のはびこる中央アフリカの現状を報告するドキュメンタリータッチの「Even in the Rain」では、横や背後から新たな登場人物が現れ、話し始めます。英語字幕を探すために座席を回転させるのですが、どこに出ているのかなかなか見つからず、話に追いつけないこともありました。

「攻殻機動隊 新劇場版 Virtual Reality Diver」 ©士郎正宗・Production I.G/ 講談社・「攻殻機動隊 新劇場版」製作委員会
「攻殻機動隊 新劇場版 Virtual Reality Diver」 ©士郎正宗・Production I.G/ 講談社・「攻殻機動隊 新劇場版」製作委員会
「結婚指輪物語VR」 © MAYBE/SQUARE ENIX
「結婚指輪物語VR」 © MAYBE/SQUARE ENIX

 コンペティション外の「Best of VR」部門ではありますが、日本からも2作品が出品されました。

 「攻殻機動隊 新劇場版 Virtual Reality Diver」は、アニメ映画にもなった「攻殻機動隊」が原作。近未来を舞台にテロリストと公安捜査官との対決を描く物語です。物語の中に、思索的な内容が盛り込まれているのが特徴です。

 コミック原作の「結婚指輪物語VR」は、高校生の少年が異世界のお姫様だった幼なじみの少女を追って異世界に導かれる物語。ページをめくるように話が進みつつ、時にコマの中に入り込み、登場人物たちが話をするその場にいるような感覚を楽しめます。

 新しい分野の進展に、今後、日本作品も協力していけるのではないでしょうか。(文化部 大木隆士)

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39999 0 エンタメ・文化 2018/09/06 15:00:00 2018/09/06 15:00:00 2018/09/06 15:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180906-OYT8I50042-T.jpg?type=thumbnail

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