都内にもバンクシー「本物かどうか認証しない」

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東京都港区の防潮扉に描かれたネズミの絵(東京都提供)
東京都港区の防潮扉に描かれたネズミの絵(東京都提供)

 東京都港区の防潮扉に描かれ、世界的に有名な正体不明のアーティスト、バンクシーの作品に似ているネズミの絵が物議を醸している。専門家は本物の可能性が高いと指摘する一方、バンクシー側は取材に真偽を答えなかった。価値のある「作品」か、単なる誰かの落書きなのか――。

 都によると、問題のネズミの絵のサイズは縦横20センチ余りで、東京湾そばの防潮扉の隅に描かれていた。昨年末に情報が寄せられ、都は今月16日に扉の絵の部分を外して倉庫に保管している。「10年以上前からあった」との情報もあるという。

 バンクシーの活動に詳しい東京芸術大の毛利嘉孝教授(社会学)によると、バンクシーは都会で駆除の対象となるネズミをモチーフとした絵を多く描いてきた。

 バンクシーの作品集「Wall and Piece」(2006年)には、今回の絵を反転させたような作品が収められ、欄外には「Tokyo 2003」との記載があった。

 さらに、作品中にある扉のボルトの位置や前の地面のひび割れの形も今回見つかった絵とほぼ同一で、毛利教授は「バンクシーが、今回見つかった絵の写真を反転させて作品集に収めた可能性が高い」と話す。

 読売新聞がバンクシーの公式ウェブサイトを通じて取材を申し込んだところ、「路上の作品について本物かどうかは認証しない。バンクシーが手がけたとの確認を与えることはできない」との回答がメールであった。毛利教授は「バンクシー本人はこういう騒ぎが起きることを楽しんでいるのではないか」と推測している。

 渦中の絵を都がどう扱うかも今後の焦点となる。

 著作権法に詳しい高木たかき啓成ひろのり弁護士によると、都は扉を所有するが、絵が本物ならばその著作権はバンクシーに帰属する。従って、都は扉を売却したり展覧会で一時的に展示したりできる一方、作品のコピーの販売はできない。高木弁護士は「バンクシーの作品だとわかれば、都は著作権を侵害しない範囲で有効活用できる」と話す。

 扉への落書きは建造物損壊や軽犯罪法違反などに問われる可能性はある。ただ、扉の所有者が落書きによって扉の価値が低下したと考える場合や、美観が損なわれたと客観的に認められる場合にしか罪に問えないとの考え方が一般的で、都の対応に注目が集まりそうだ。

58055 0 エンタメ・文化 2019/01/21 08:06:00 2019/01/22 10:23:54 2019/01/22 10:23:54 東京都内で見つかったバンクシー作品の可能性が指摘される絵。作品集掲載の過去作品とは左右が反転しているが、ボルトや地面のひび割れの位置などが似ている(昨年12月21日撮影、東京都提供)※もう1枚の作品集のPとボルトやひびの位置関係を似せてトリミングしてください https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20190121-OYT1I50003-T.jpg?type=thumbnail

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