伝統芸・文楽が描く「忠臣蔵」…仇討ち三者三様の思惑

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仮名手本忠臣蔵 祇園一力茶屋の段

判官の妻からの密書を読む由良助。縁の下では九太夫が盗み読む
判官の妻からの密書を読む由良助。縁の下では九太夫が盗み読む

 華やかな京都・祇園のお茶屋。主君・塩谷判官えんやはんがんの敵討ちを決意したはずの家老・大星由良助おおぼしゆらのすけは、連日遊びほうけていた。その本心を探るべく敵味方が入り交じる。

 国立文楽劇場(大阪市中央区)の開場35周年を記念し、4~11月に3回に分けて全段通し上演される「仮名手本忠臣蔵かなでほんちゅうしんぐら」。8月5日まで行われた夏休み特別公演では、五段目から七段目までが上演された。

 メインは七段目「祇園一力茶屋ぎおんいちりきぢゃやの段」。由良助は酔ったように振る舞いつつ、決意を内に秘める。今回、人気と実力を兼ね備えた人形遣いの桐竹勘十郎が、初役として遣った。太夫は登場人物を1人ずつ受け持ち、由良助はベテラン豊竹呂太夫が担った。仲居にちょっかいを出したり、敵の家来らをのらりくらりと欺いたり、本心をのぞかせない姿に柔らかみと色気が漂う。

おかるは鏡を使って密書をのぞき込む
おかるは鏡を使って密書をのぞき込む
由良助に九太夫を鴨川に投げ込むよう命じられる平右衛門(下)
由良助に九太夫を鴨川に投げ込むよう命じられる平右衛門(下)

 終盤の見せ場は、判官の家臣・早野勘平かんぺいの妻で遊女、おかるを巡る物語だ。実は勘平が恋人時代のおかると逢瀬おうせを楽しむ間、主君の刃傷にんじょう事件が発生していた。おかるは、責任を感じて落ちのびた夫を再び武士に戻す費用を工面するため、遊女になったのだった。

 由良助と、その密書を盗み見たおかる、そしてあだ討ちに参加したいおかるの兄、寺岡平右衛門。三者三様の思いが交錯する。由良助の身請け話に喜ぶおかるは、兄から勘平の死を知らされた上、密書を見たからには由良助に殺されると言われ、自ら死のうとする。が、その刹那、止めに入った由良助。衣装を改め、前半とは一変した堂々とした家老の風格をみせ、万事を決着させた。

 この後、物語はいよいよ佳境、討ち入りへ。文楽ではどう見せるのか。11月公演を乞うご期待ください。(倉岡明菜)

鑑賞ガイド

仮名手本忠臣蔵…五、六段目では、早野勘平の妻おかるが夫のために身売りするが、勘平は義父殺しの疑いをかけられて切腹した。七段目では、一力茶屋で遊ぶ大星由良助の元に敵である高師直こうのもろのおの密偵となった判官の家臣斧九太夫おのくだゆうらが様子を見に来る。九太夫は、主君の命日を前に生ものは慎むはずと酒のさかなにタコを勧めるが、敵討ちはしないという由良助は口にした。

 一方、おかるは一力茶屋で遊女となっていた。息子・力弥から判官の妻の密書を預かった由良助は、中身をおかると九太夫に盗み見られ、おかるに身請け話を持ちかける。そこにおかるの兄・寺岡平右衛門が現れ、勘平の死を妹に告げた。由良助は、平右衛門に敵討ちへの参加を認め、おかるには九太夫を討たせた。

 11月公演は11月2~24日。第1部(午前11時開演)は「心中天網島しんじゅうてんのあみじま」。第2部(午後4時開演)は「仮名手本忠臣蔵」(八~十一段目)。(電)0570・07・9900。

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750074 0 エンタメ・文化 2019/08/19 15:00:00 2019/08/19 15:00:00 2019/08/19 15:00:00 九太夫を持ち上げる平右衛門(7月31日、大阪市中央区の国立文楽劇場で)=川崎公太撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/08/20190819-OYT1I50033-T.jpg?type=thumbnail

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