国特別史跡の貝塚で倒木…台風15号、文化財にも大きな被害

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倒壊した鹿野山神野寺の「表門」(16日、千葉県君津市で)
倒壊した鹿野山神野寺の「表門」(16日、千葉県君津市で)

 台風15号が直撃した千葉県では、文化財にも大きな被害が出ている。国宝に相当する価値がある国の特別史跡「加曽利貝塚」(千葉市若葉区)の一部が倒木で被害を受け、関東最古の寺院とされる鹿野山神野寺かのうざんじんやじ(君津市)では、国重要文化財の「表門」が倒壊した。県教育委員会には計76件の被害報告があり、調査チームを組んで実態把握に乗り出した。

 「ここまでの被害は初めて」。千葉市立加曽利貝塚博物館の加納実館長(57)は、貝塚の惨状を目にして言葉を失った。

 加曽利貝塚は日本最大級の貝塚として知られ、直径140メートルの円形の北貝塚(縄文中期)と、長径190メートルで馬のひづめのような形の南貝塚(縄文後期)からなる。魚や動物の骨、石剣や耳飾りなども見つかっており、縄文時代の人々の暮らしぶりを伝える貴重な貝塚で、小学校の教科書にも登場する。

 今回被害を受けたのは北貝塚の3か所。最も被害の大きい場所では、北貝塚の上に根を張る樹木が強風で倒れ、地中に埋まる貝塚が露出した。このため、殻や土器などが埋まっていた地層の位置、保存状態が分からなくなり、今後、調査が難しくなるという。

 このほか、復元住居3棟のうち1棟が損壊し、縄文時代の雰囲気を伝えるクリやコナラの木も100本以上、枝が折れたり幹がなぎ倒されたりした。同館は市教委などと協議し、今後の対応を検討する。

 一方、「表門」が倒壊した鹿野山神野寺。同寺によると、寺は推古天皇の時代に聖徳太子が開いたとされ、表門は寺で最も古い室町時代の建造物で、1916年に重要文化財に指定された。台風の影響で本堂も銅板の一部がはがれ、奥の院なども甚大な被害を受けた。

 ボランティアの協力で雨漏りを防いだり、倒木を動かしたりしているが、復旧のめどは立っていない。

 岩間照種副住職(47)は「表門は神野寺の歴史を語る上で重要な門。周りの力を借りながら少しでも本来の姿を取り戻せたら」と話す。

 県教委によると、18日までに寄せられた計76件の被害報告の中には国や県指定の史跡、名勝などが含まれているという。

     ◇

 東京電力パワーグリッドは19日、台風15号による千葉県の停電は同日正午現在、23市町の約2万9900軒になったと発表した。

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803284 0 エンタメ・文化 2019/09/19 14:25:00 2019/09/19 14:25:00 2019/09/19 14:25:00 倒壊した「表門」(9月16日午後1時18分、君津市鹿野山の鹿野山神野寺で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/09/20190919-OYT1I50027-T.jpg?type=thumbnail

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