将棋ユーチューバー、プロへ王手かカド番か「実力出し切りたい」

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「本番に近い環境で」と、対局で使われるものと同様の盤や駒台を使って研究する折田さん(大阪市内で)=佐藤行彦撮影
「本番に近い環境で」と、対局で使われるものと同様の盤や駒台を使って研究する折田さん(大阪市内で)=佐藤行彦撮影

 将棋のプロ棋士(四段)を目指すアマチュア強豪で「将棋ユーチューバー」として知られる折田翔吾さん(30)(大阪市)が、日本将棋連盟の棋士編入試験に挑んでいる。新鋭棋士5人と1局ずつ指す五番勝負で、3勝すれば合格する。編入が決まれば現行制度で6年ぶり2人目。ここまで1勝1敗で、27日の第3局に向けて「周囲の支えに感謝しながら実力を出し切りたい」と意気込む。

 「疲れたけど、一晩寝て元気になろうと思います」。昨年12月23日、大阪市の関西将棋会館であった編入試験第2局で出口若武わかむ四段(24)に敗れたが、その日のうちに動画投稿サイト「ユーチューブ」の自身のチャンネルで、次局に向かう決意を語った。

 チャンネルの視聴登録数は約3万6000人。落ち着いた声で淡々と語るスタイルで、自身のネット対局の模様を実況するなどし、人気を博している。

 折田さんは幼少期に父から将棋を教わり、小学6年の頃、ネット対局にのめり込んだ。「もっと強くなりたい」と2004年、同連盟の棋士養成機関・奨励会に入会。高校を中退して退路を断ち、11年にプロへの最終関門、同会三段リーグに上がった。

 だが、30人余りが所属する同リーグから棋士に上がれるのは原則半年に2人。5年間で1度も勝ち越せず、2016年、年齢制限の26歳で退会した。「積み上げたものが崩れ去った。苦しかった」と振り返る。

 それでも「元々前向きな性格ですぐに気持ちを切り替えた」といい、ユーチューバーの活動を開始した。

 将棋の研究も継続。新たに人工知能(AI)を使い、「前例にとらわれない序盤の構想力が身についた」。17年にアマ王将戦で準優勝した。アマ出場枠のあるプロ公式戦で18年夏以降、棋士相手に10勝2敗。「10勝以上、勝率6割5分以上」という受験資格を満たした。

 受験が決まると、14年に合格した今泉健司四段(46)らから「周囲の応援を力に変えた方がいい」と助言を受けた。その言葉に従い、受験料約50万円はクラウドファンディングで集めた。練習対局の相手も、ツイッターで募ったアマ強豪たちだ。

 「本当に多くの人に支えられている」との思いを胸に昨年11月、関西将棋会館で第1局に臨み、黒田尭之たかゆき四段(23)に勝った。第2局は落としたので、東京・将棋会館での山本博志四段(23)との第3局は、合格にあと一歩と迫るかカド番になるかの正念場だ。

 編入試験は月1回ペースで進む。折田さんは「奨励会時代より技術も気持ちの面も高まっている。夢の実現に向けて全力を尽くす」と前を見据えている。

棋士編入試験=アマ強豪のための制度で、戦後1例目は2005年の瀬川晶司六段(49)で、アマ枠で参加したプロ公式戦で好成績を挙げ、特例として実施された試験に合格した。06年に制度化され、14年に今泉四段が合格した。折田さんはこれに続く戦後3例目の受験者だ。

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1007771 0 エンタメ・文化 2020/01/19 13:00:00 2020/01/19 13:00:00 2020/01/19 13:00:00 棋士編入試験に挑む折田さん。本番に近い環境をとクラウドファンディングで集まった資金で将棋盤や駒を新たにそろえた(大阪市内で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/01/20200119-OYT1I50019-T.jpg?type=thumbnail

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