不条理劇の第一人者、別役実さん死去…野田秀樹さんら後進に多大な影響

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別役実さん
別役実さん

 日本の不条理劇の第一人者として知られた劇作家の別役実(べつやく・みのる)さんが3日午前0時12分、肺炎で死去した。82歳だった。告別式は近親者で済ませた。喪主は長女でイラストレーターの、べつやくれい(本名・林怜=はやし・れい)さん。

 旧満州(現中国東北部)に生まれ、早大在学中に劇団自由舞台に参加。「ゴドーを待ちながら」で知られるアイルランド出身の劇作家、サミュエル・ベケットの影響を受けた不条理劇「象」などで注目を集めた。1968年に「マッチ売りの少女」「赤い鳥の居る風景」で岸田國士くにお戯曲賞を受賞。87年の「諸国を遍歴する二人の騎士の物語」で読売文学賞を受けた。

 電信柱やベンチ、バス停が立つシンプルな舞台で、登場人物がかみ合わない会話を繰り広げ、乾いた笑いが起きる。淡々としたやり取りの中から社会の不条理や人間の本質が浮かび上がる知的な芝居は、野田秀樹さん、ケラリーノ・サンドロヴィッチさん、岩松了さんら後進の劇作家に多大な影響を与えた。

 多作で知られ、晩年はパーキンソン病と闘いながら執筆を続け、140本超の戯曲を発表した。2018年の「ああ、それなのに、それなのに」が最後の作品になった。その頃、病床で受けたインタビューでは「僕はこれからも新しい言葉を探し続け、いつか本物の言葉を見つけたい」と語り、創作意欲を示していた。

 日本劇作家協会会長や兵庫県立ピッコロ劇団代表も歴任。15年から1年4か月にわたり、約20の演劇団体が参加した連続上演企画「別役実フェスティバル」が開かれた。12年、読売演劇大賞芸術栄誉賞。13年に日本芸術院会員。

 ユーモアを交えた「虫づくし」などのエッセーや「淋しいおさかな」などの童話、鋭い犯罪評論でも知られた。

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1100223 0 エンタメ・文化 2020/03/10 17:03:00 2020/03/10 20:09:13 2020/03/10 20:09:13 劇作家・別役実さん。インタビュー写真。第19回読売演劇大賞の芸術栄誉賞を受賞し、喜びを語る。東京・新宿区で。2012年2月1日撮影。 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/03/20200310-OYT1I50061-T.jpg?type=thumbnail

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