[見える落語]飲み助同士、小言ぐるぐる…親子酒

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大阪本社文化部

 「見える落語」は、落語の名場面を、時代劇の撮影で知られる東映京都撮影所(京都市)の俳優が芝居で再現します。第5回の演目は、「親子酒」です。
 ※動画は、東映太秦映画村(京都市)のオープンセットで撮影しています。

 

「酒」にまつわる落語は多い。大酒飲みがいれば、泣き上戸、絡み酒もある。たしなむ程度なら良いのだが、そうはいかないのが落語の世界。親子そろって酒飲みとなれば、周りの家族の気苦労はいかばかりか。
酔って帰宅した父親(右)。嫁に聞くと、酒を飲みに出た息子がまだ帰っていないという。注意をすると言いながら、眠り込む=いずれも長沖真未撮影
酔って帰宅した父親(右)。嫁に聞くと、酒を飲みに出た息子がまだ帰っていないという。注意をすると言いながら、眠り込む=いずれも長沖真未撮影
いいあんばいに酔った息子。鼻歌を口ずさんだり、近所の戸をたたいたりと、千鳥足で帰路につく
いいあんばいに酔った息子。鼻歌を口ずさんだり、近所の戸をたたいたりと、千鳥足で帰路につく
迷惑そうに出迎えた嫁(左)。父親が酔って帰ってきたと聞いた息子は、怒って父親を起こしに向かう
迷惑そうに出迎えた嫁(左)。父親が酔って帰ってきたと聞いた息子は、怒って父親を起こしに向かう
息子(右)と父親が、互いの飲酒に文句を言い合う。父は「顔が二つも三つもある化け物に、この家はやらん」
息子(右)と父親が、互いの飲酒に文句を言い合う。父は「顔が二つも三つもある化け物に、この家はやらん」
息子は父に言う。「いらんわーい、こんなぐるぐる回る家」
息子は父に言う。「いらんわーい、こんなぐるぐる回る家」

自分のことを棚に上げる酔っ払い親子

 たらふく酒を飲んで、ご機嫌な様子で帰宅する父親。嫁(息子の妻)に戸を開けさせ、せがれの姿を探すが、見当たらない。また一杯やりに出かけているようだ。「今日は、()とともに意見をする」。そう豪語したものの、酔いが回ったのか、すぐさま寝入ってしまった。

 ようやく帰ってきた息子。鼻歌交じりの千鳥足で近所をうろつくほど、出来上がっている。妻に聞けば、父親も帰ってきたばかりとか。「毎晩毎晩、酒飲んで。今日は夜とともに意見をする」。父を起こしにかかる。

 上方落語だけでなく、江戸落語でも高座によくかかるおなじみの(はなし)。原話は、江戸時代の上方の落語家・初代露の五郎兵衛の小咄(こばなし)本とされる。酔っ払いの親子が、自分のことを棚に上げて同じフレーズを繰り返すシンプルな構成だ。

うどん屋に絡む場面、関西らしいコミカルな演出

 上方では、息子が帰路、うどん屋に絡む場面が加わることがある。割り箸を渡されて「一本の箸ではうどんが食えん」などと、何かといちゃもんをつける酔態がコミカルに演じられる。

 桂米朝は、うどん屋のくだりを関西らしい演出と考えていた。「ここをカットすると、すっきりはしますが、全体に非常に地味になってしまうので、派手な演出を喜ぶ関西の気風に合わせて(中略)笑いを豊富にしたものでしょう」(「米朝落語全集」)と書いた。

 この親子、結局、「どっちもどっち」である。ふらついて小言を並べる父、へべれけで目の焦点が定まらない息子。酒は「百薬の長」とも言われるが、この親子につける薬はなさそうだ。

「見える落語」役者プロフィル

 「見える落語」シリーズ「親子酒」は、息子役を山本辰彦、父親役を浅田祐二、嫁役を大脇あかねが演じました。

無断転載禁止
1127969 0 エンタメ・文化 2020/03/25 15:13:00 2020/03/25 15:13:00 2020/03/25 15:13:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/03/20200319-OYT1I50058-T.jpg?type=thumbnail

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