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黒姫の里山、生態系復活に取り組む…死去のC・W・ニコルさん

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亡くなったC・W・ニコルさん。5年ほど前「アファンの森」で撮影されたという(「C・W・ニコル・アファンの森財団」提供)
亡くなったC・W・ニコルさん。5年ほど前「アファンの森」で撮影されたという(「C・W・ニコル・アファンの森財団」提供)

 3日に79歳で亡くなった作家で環境保護活動家のC・W・ニコルさんは、40年前から長野県信濃町の黒姫山の麓で暮らし、自然保護活動に取り組んでいた。3年前に患った直腸がんが昨年秋に再発。新型コロナウイルスの感染拡大で延期となった東京五輪の聖火リレーでは、長野市内を走る聖火ランナーにも選ばれており、「たとえ車いすになっても走る」と意気込んでいたという。

 ニコルさんは1940年、英国で生まれた。17歳でカナダに渡り、カナダ水産調査局北極生物研究所技官として、海洋哺乳類の調査研究にあたった。80年からは黒姫高原に居住、執筆活動に励み、95年には日本国籍も取得した。

 「日本ほど生物の多様性のある所はない。北に流氷、南にサンゴ礁。文化にも素晴らしい多様性がある。多様性とはイコール可能性だ」

 ニコルさんは日本に来た理由について、97年に東京都内で開かれたシンポジウムで、そう語っていた。

 森の再生活動を実践するため、黒姫の荒れ果てた15ヘクタールの里山を自費で買い取り、周辺住民と70種類の樹木を植えながら、生態系の復活に取り組んだ。その里山は「アファンの森」と名付けられ、鳥や虫が集う森によみがえった。先のシンポジウムの中で、ニコルさんは「もうけの全部を使い、病気で放置された森を10年間かけて手入れしてきた。金にはならなかったが、心の余裕ができた」と明かした。

 一般財団法人「C・W・ニコル・アファンの森財団」によると、ニコルさんは3年前に直腸がんを患った。完治したが、昨年秋に再発し、放射線治療を続けていた。今月2日に予定されていた長野市内での聖火リレー走者に選ばれた時、ニコルさんは「この上ない光栄」と喜んだという。延期が決まった際も、「病気を克服して来年また走る」と目標に据えた。だが、4月に入ってから体調が急変した。

 生前、国づくりに最も必要なのは環境と教育と語っていたニコルさん。新型コロナウイルスの感染が蔓延まんえんする状況について、「自然と人間の付き合い方が悪くなっているからだ」と憂えていたという。

 同財団事務局長の野口理佐子さんは「ニコル氏の遺志を受け継ぎ、日本の豊かな自然をもう一度よみがえらせる活動を続けていきたい」と力を込めていた。

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1148761 0 エンタメ・文化 2020/04/05 07:21:00 2020/04/05 07:21:00 2020/04/05 07:21:00 亡くなったC・W・ニコルさん。5年ほど前「アファンの森」で=「C・W・ニコル・アファンの森財団」提供 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/04/20200404-OYT1I50053-T.jpg?type=thumbnail

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