[週刊エンタメ]STORY・EXILE AKIRA パフォーマー・俳優<1>前向いて 日本を元気に

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撮影・和田康司
撮影・和田康司

 数万人が身につけたライトで、色とりどりの光に染められたスタンド。そこに、メンバーのメッセージが刻まれた銀テープが、勢いよく打ち放たれた。EXILEの15人による躍動感みなぎるパフォーマンスと、サービス精神あふれるおもてなしに熱狂する観客たち――。

 ダンス&ボーカルグループ、EXILEが今年1月、福岡市のヤフオクドームで開催したライブ。それは、6年に1度の祝祭である「PERFECT YEAR」の幕開けを告げる公演でもあった。

 特に今回は、「LDH PERFECT YEAR 2020」と銘打ち、三代目 J SOUL BROTHERS、E―girlsなど、「LDH」所属グループが総出で、たすきをつなぐように各地で公演を披露する趣向。動員予定は300万人という過去最大規模のものだった。

 AKIRAは、祭典に万感の思いで臨んでいた。最もキャリアの長いパフォーマーとして現場を率いる立場になっていたからだ。今、EXILE結成メンバーで舞台に立つのは、ボーカルのATSUSHIのみ。創設者でLDH会長、HIROは2013年末でパフォーマーを勇退。松本利夫、MAKIDAI、U¨SAの3人も15年に同じく卒業していた。

 「これまでは、大きな船に優雅に乗っていた。だが、恵まれた環境はずっと続いていくわけじゃないと知った」。頼もしい先輩たちのお陰で、いかに大きな夢をかなえさせてもらったか。改めて、その道のりに思いをはせている。

主演

代表曲「Choo Choo TRAIN」のパフォーマンスを披露するEXILE
代表曲「Choo Choo TRAIN」のパフォーマンスを披露するEXILE

 「自分は、いつの間にか入っていたメンバーですから」。1メートル85の恵まれた体格で「クランプ」と呼ばれる肉感的なダンスで存在感を示し、俳優としても数々の主演作を担ってきたが、自身の来歴については自嘲気味に語る。

 02年、東京都内のクラブのイベントで踊ったことが、奇跡の始まりだった。当時、静岡県の高校を卒業し、ダンサーとして身一つで生活していく覚悟を決めながらも出口が見えない日々を送っていた。ところが、そのイベントにEXILEのメンバーが居合わせ、見いだされたのだった。

 まもなく求められて上京。スタッフなどの下積みを経て、2006年にEXILEに加入した。同時期に、オーディションで1万人の中から選ばれたボーカル、TAKAHIROと比べると、目立たない第一歩だった。しかし、そこに至るまでの愚直な努力や、日本を代表するグループの一員になったことによる責任と重圧は計り知れない。

 「僕は、EXILEに救われ、学び、夢を見た。そして、EXILEで世界を見ることができた」。先輩たちが寝ている時間もダンスの練習に打ち込んだ。役者という新たな活路を見いだしてからは、「グループに、お土産を持って帰らなきゃいけない」と食らいつき、主演俳優にまでたどりついた。

転機

 16年、EXILEは2年余りの活動休止期間に入った。AKIRAは不安を抱えながらも、一つの戦略を打ち出した。それが、次代のLDHの先頭に立つEXILE THE SECONDに加入することだった。

 「僕は、SECONDに入ろうと思います」

 「マジで!?」

 突然打ち明けられたHIROは、二の句が継げなかったという。「でも、僕が説明をすると、『AKIRAが決めたのなら応援するよ』と、受け止めてくれた」

 AKIRAの加入は、12年から活動する5人の体制に思い入れのあるファンからの反発も予想できた。「それでも決断したのは、新しいEXILEの核になるのは、SECONDだと確信したから。僕の加入で化学変化が起こり、より個の力が強くなるはず」

 展望は的中した。現在のEXILEは、ダンスと歌の披露にとどまらない。メンバーたちは、食、ファッション、スクールなど、LDHの総合エンターテインメント事業における各部門のリーダーたちが顔をそろえる集団へと、さらなる発展を遂げたのだ。

輝き

 そして、2020年。福岡から始まったドームツアーは、名古屋、大阪と各地を興奮の渦に巻き込んでいった。

 しかし、2月26日。ツアー10公演目となる大阪の最終日を飾ることはできなかった。新型コロナウイルスの感染拡大防止で、政府による大規模イベントの自粛要請があったためだ。以降、PERFECT YEARの公演は中止・延期が発表され続けている。

 「いつ再開できるのかは分からない。でも前を向いて、日本を元気にしていくという考えはぶれていない」。LDHは、「RISING SUN~TO THE WORLD~」というテーマを新たに掲げ、祭典を21年3月まで延長することを決めた。

 「Rising Sun」は、東日本大震災の復興へ向けてEXILEが作った楽曲。それを根本のテーマにし、新たな未来への希望と願いを掲げ、世界に向けて発信するものだった。「このピンチを迎え、EXILE TRIBEの輪は本当の意味で強くなっている気がします」。AKIRAの目は輝きを失っていなかった。(清川仁)

■EXILE AKIRA(エグザイル・アキラ)の歩み

1981年8月23日生まれ。静岡県出身

2003年 LDHが運営するスクール「EXPG」の講師に就任

 06年 EXILEにパフォーマーとして加入

 08年 「EXILE PERFECT YEAR」。EXILEとして初のドームツアーを敢行

 09年 映画「ちゃんと伝える」で初主演。日本映画批評家大賞新人賞を受賞

 12年 ドラマ「GTO」で主演

 13年 EXILEとして「EXILE PRIDE ~こんな世界を愛するため~」で日本レコード大賞史上初の4回目の受賞。

 14年 「EXILE TRIBE PERFECT YEAR」

 16年 EXILE THE SECONDに加入。映画「HiGH&LOW THE MOVIE」公開

 17年 マーティン・スコセッシ監督のハリウッド映画「沈黙‐サイレンス‐」に出演

 19年 「ラルフローレン パープルレーベル」グローバルアンバサダー兼モデル就任。アジア人初の快挙

 20年 「LDH PERFECT YEAR 2020」

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1261561 0 エンタメ・文化 2020/06/06 05:00:00 2020/07/07 09:48:55 2020/07/07 09:48:55 インタビューに答える「EXILE」のAKIRAさん。東京都目黒区で。2020年2月15日撮影。 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/06/20200605-OYT8I50052-T.jpg?type=thumbnail

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