[見える落語]別れた夫婦、元のさやに…子は鎹

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大阪本社文化部

 「見える落語」は、落語の名場面を、時代劇の撮影で知られる東映京都撮影所(京都市)の俳優が芝居で再現します。第6回の演目は、「子は(かすがい)」です。
 ※動画は、東映太秦映画村(京都市)のオープンセットで撮影しています。

原典は初代春風亭柳枝「子別れ」

 落語には、笑いが主眼の(はなし)だけでなく、庶民の人情の機微を描き、ほろりとさせる噺もある。別れた夫婦が元のさやに収まる「子は鎹」は、人情噺の代表作の一つだ。 原典は、江戸の初代春風亭柳枝(りゅうし)(1813~1868)が作ったとされる長編「子別れ」。後に改作され、三つのパートの最後段が、独立して演じられるようになった。

情感たっぷり、桂ざこばの口演

 上方では、桂ざこばの口演が印象的だ。時に涙ぐみながら、情感たっぷりに語る。「グッとくるのが好きやねん。一生懸命、気持ちを入れていたら、自然と泣けてきまっせ」とざこば。 酒を断ち、心を入れ替えた男が別れた妻と再会するクライマックスでは、子どもの無垢(むく)な笑顔が、夫婦の心をほぐしていくさまを、声を震わせながら、しっとりと描き出す。

自身の体験重ね、子どもに感情移入

 「実はね――」。ざこばが、真に迫る演技の種明かしをしてくれたことがある。「幼い頃、私の両親も離婚してね。『子は鎹』の子どもには、ついつい感情移入してまうんですわ」 情に厚いざこばに、人情噺が適していることを早くから見抜いていた人物がいる。師匠で人間国宝の桂米朝。「どこか合わなんだ」と、自身は生涯に数回しか高座にかけなかったこの演目を、「ざこばには合うてるんや」と語ったという。 夫婦や親子の情愛を、人間の体温や実感とともに、現代に伝える。時には、落語家自身の人生の哀楽も、スパイスとなってその味わいを深めているのだろう。

スライドショー

「子は鎹」役者プロフィル

 「見える落語」シリーズ「子は鎹」は、父親の熊五郎役を西村匡生(まさき)、妻のお花役を井上紀子、息子の亀吉役を本村采大朗(あやたろう)が演じました。

無断転載禁止
1317633 0 エンタメ・文化 2020/07/03 15:00:00 2020/07/03 15:00:00 2020/07/03 15:00:00

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