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江戸の疫病記す古文献を現在の活字に…英研究者「昔の人々の奮闘知りコロナ克服を」

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 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受け、疫病について書かれた江戸時代の古文献の文章を現在の活字にする「翻刻」の国際プロジェクトが、英国・ケンブリッジ大学などの研究者らの間で進んでいる。

ラウラ・モレッティさん
ラウラ・モレッティさん

 安政5年(1858年)に江戸だけで約3万人が死去したとされるコレラの流行状況を伝える「安政箇労痢ころり流行記」、疱瘡ほうそうの特徴などを記した「疱瘡心得草」など、庶民に流通した木版印刷本が対象。火葬が追いつかず、貧しい人々の遺骸を「品川沖」に運んで水葬したなどの生々しい報告、病人の部屋になるべく立ち寄らないといった対処法などが記された貴重な記録だ。

コレラ流行時の惨状を伝える「安政箇労痢流行記」(右)と翻刻した文章(国立歴史民俗博物館・橋本雄太助教提供)
コレラ流行時の惨状を伝える「安政箇労痢流行記」(右)と翻刻した文章(国立歴史民俗博物館・橋本雄太助教提供)

 これらはくずし字で書かれ、読解が難しいことから、日本史や日本文学に関心がある海外の専門家にとってはハードルが高い。そこで、ケンブリッジ大准教授で日本近世文学を研究するラウラ・モレッティさんらが翻刻プロジェクトを発足させた。日本からも国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)などの研究者が参加するほか、米国、中国など世界中の研究者約35人が6月から取り組む。

 モレッティさんは江戸時代に書かれた伊勢物語のパロディー「仁勢にせ物語」に出会い、「機知に富んだ日本近世文学にひかれた」。東京大への留学経験もあり、後進の研究者に対し、くずし字読解の指導もしている。

 翻刻した文章は、成果がまとまる10月頃に一般にもウェブサイトで公開する予定。英訳などが進み、国際的な視点での研究が期待される。モレッティさんは「古文献で昔の人々の奮闘を知り、新型コロナを克服する勇気を持ってもらえたら」と話す。

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1350374 1 エンタメ・文化 2020/07/18 15:00:00 2020/07/19 01:04:30 2020/07/19 01:04:30 火葬が追いつかないなど、コレラ流行時の惨状を伝える「安政箇労痢流行記」と翻刻した文章(橋本助教提供) https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/07/20200718-OYT1I50065-T.jpg?type=thumbnail

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