[週刊エンタメ]STORY・Official髭男dism ピアノポップバンド<1>全てサビ サブスクで爆発

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 はじけるリズム、全てがサビのような美しいメロディー。4人組バンド「Official髭男dism」(ヒゲダン)が、2020年の音楽界を席巻している。学生時代に出会い、各地をライブでめぐって腕を磨いた。若者の熱狂的な人気を集める存在になっても、彼らは語る。「ライブがすごく好き。4人にとって生きがい」――。(文・鶴田裕介)

藤原聡(2月11日、パシフィコ横浜)
藤原聡(2月11日、パシフィコ横浜)

 2月11日、パシフィコ横浜。ボーカル、ピアノの藤原聡のボルテージは、曲を追うごとに上がっていく。楢崎誠はベースをサックスに持ち替えて管楽隊とステージを練り歩き、小笹大輔はギターヒーローのごとく超絶ソロプレーを披露。ペースメーカー役のドラムス、松浦匡希もやがて熱狂の渦に飛び込んで行く。「ピアノポップバンド」のイメージからは想像しがたい、音楽的爆発があった。

 「Pretender」「宿命」とヒット曲を連発し、常にサブスクリプション(定額制音楽配信)の上位を席巻。アルバム「Traveler」は、発売10か月を経てもチャート上位にいる。NHK紅白歌合戦にも出場した。

 松浦は「バンドとしての地力をこつこつ積み上げてきたのは、力になっているな、と思います」と語る。山陰で結成し、働きながら曲を作り、週末はライブで各都市をめぐってきた。地道なバンド活動を続けたからこそ、今がある。「たたき上げ」の音楽なのだ。

熱量の一致

小笹大輔(2月11日、パシフィコ横浜)
小笹大輔(2月11日、パシフィコ横浜)

 バンドの源流は、4人のうち3人が通った島根県の大学の軽音楽部にある。楢崎が4年生だった10年、藤原が入部してきた。

 「聡はメチャクチャとがってましたね。ドラムがうまくて、ピアノもキーボードも弾けた。すごいのが入ってきたな、と思いました」と楢崎。一方で、印象に残ったのは、藤原の人なつっこさ。「後輩に威厳を保たなきゃ、とつまんないことを考えてたら『バンド組みましょうよ、楢さんのグルーブめっちゃ好きっす』って言ってくれたんです」

 1年後輩のドラムス松浦も加わり、彼らはとにかくたくさんのコピーバンドを組んだ。アース・ウインド&ファイアー、TOTO、電気グルーヴ……。藤原は高校時代に楽器店のライブイベントで出会ったギターの小笹とも、コピーバンドを組んだ。様々な作品に触れたことが、彼らの音楽の素地になったという。「でも、大変ってことはなかった。今でもやりたいですもん、コピーバンド」

 ヒゲダンの結成は12年。藤原が大学3年の時だ。後輩の松浦に加え、すでに大学を卒業していた楢崎、高等専門学校に通っていた小笹に声をかけ、オリジナル曲を演奏するバンドを組んだ。「バンドってうまいだけじゃなくて、気持ちの足並みがそろってないと駄目なんです。大学の垣根を越えてやらないと、納得のいくものは作れないと思いました」(藤原)

松浦匡希(2月11日、パシフィコ横浜)
松浦匡希(2月11日、パシフィコ横浜)

 しかし、初めて4人で演奏してみると――。

 「みんな下手。グッダグダ」(楢崎)、「最悪だ」(小笹)、「失敗したな。結成したの」(藤原)

 第一印象は“最悪”。ではなぜ、そこで終わらなかったのか。

 「聡が作る曲がよかった」(楢崎)、「曲がすごく面白かった」(松浦)、「楽曲が素晴らしい」(小笹)

 3人は口をそろえる。当の藤原は「3人とも『あんまりよくないね』って言ったんですよ。悪いことを悪いって言えて、駄目なところをどうしたらよくできるか、考えていた」。音楽への熱量の一致。この判断について藤原は「昔の自分に、人を見る目があったね、ってすごく言いたい」

 この時、楢崎は「島根県のライブハウスで、一番客に楽しいって言ってもらえるバンドになる」と決意していた。それは現実となるどころか、県境を越え、日本中に広がっていく。

新曲 イメージ刷新の意欲作

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1384758 0 エンタメ・文化 2020/08/03 17:30:00 2020/08/03 17:30:00 2020/08/03 17:30:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/08/20200801-OYT1I50042-T.jpg?type=thumbnail

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