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現在の埼玉県深谷市に生まれ、明治期を中心に多数の企業創設にかかわったことから「日本資本主義の父」と呼ばれる実業家・渋沢栄一(1840~1931年)の生涯を描いた漫画「日本を
星野さんは、「YAWARA!」などで知られる浦沢直樹さんのアシスタントを経て、1997年に「哲也―雀聖と呼ばれた男―」で漫画家デビュー。「宗桂~飛翔の譜~」をはじめとする作品では、人物描写が高く評価されている。渋沢栄一が新1万円札の肖像画に採用されることが決まったことなどから、昨年12月、秋田書店は星野さんに作品を依頼した。
構想を練るため、資料にあたった星野さんは「渋沢が幕末期に尊皇攘夷を目指して挫折した後、西郷隆盛、徳川慶喜ら著名人と接点があったのは面白い」と感じた一方、「若い頃の資料が少なく、描くのは大変だ」と思った。今年3月には、深谷市
連載は6月23日発売号から始まり、9月8日発売号の第4話までで星野さんは、ペリー率いる米艦隊が来航する1853年の前年から、日米修好通商条約が締結される58年の前年までをとりあげた。
豪農の家で生まれた渋沢は「太閤記」や「論語」に夢中な12歳の時、傷を負った長州の志士に出会った。倒幕思想に触れて列強の脅威を意識し、行動で貧困や疫病を解決するしかないと考えた。17歳になると、藍の葉を発酵させた染料「藍玉」の注文取りで、漢籍の師でいとこの尾高
ヤングチャンピオンの重兼嘉夫さんによると、編集部には読者から「『偉人の知られていない面が描かれ、知的好奇心が満足させられた』といった声が多く寄せられている」という。
星野さんは「渋沢は(24歳で)一橋慶喜に仕え、幕臣としてパリの万国博を視察した。明治政府でも働いた後、実業家になった。いばらの道を選んで様々なものを背負い、人々に影響を与えた生き方を描いていきたい」と話している。
単行本はB6判、192ページで税別630円。通販サイトや書店で予約できる。