漫画で読む「日本を創った男」渋沢栄一…第1巻10月に発売

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「渋沢が悩み、苦労したことも知ってほしい」と語る星野さん(東京都千代田区の秋田書店で)
「渋沢が悩み、苦労したことも知ってほしい」と語る星野さん(東京都千代田区の秋田書店で)
星野さんは作品で、若き渋沢のもがく様子を描いている(c)星野泰視(秋田書店)2020
星野さんは作品で、若き渋沢のもがく様子を描いている(c)星野泰視(秋田書店)2020

 現在の埼玉県深谷市に生まれ、明治期を中心に多数の企業創設にかかわったことから「日本資本主義の父」と呼ばれる実業家・渋沢栄一(1840~1931年)の生涯を描いた漫画「日本をつくった男~渋沢栄一青き日々」が雑誌「ヤングチャンピオン」(秋田書店)で連載され、好評だ。今月23日発売号で掲載される5話までが単行本第1巻になり、10月20日に発売される。作者の漫画家・星野泰視やすしさん(51)は「若い頃の挫折を乗り越え、約500の会社設立にかかわり、経済界のリーダーになった渋沢について、多くの人に知ってもらいたい」と話している。

 星野さんは、「YAWARA!」などで知られる浦沢直樹さんのアシスタントを経て、1997年に「哲也―雀聖と呼ばれた男―」で漫画家デビュー。「宗桂~飛翔の譜~」をはじめとする作品では、人物描写が高く評価されている。渋沢栄一が新1万円札の肖像画に採用されることが決まったことなどから、昨年12月、秋田書店は星野さんに作品を依頼した。

 構想を練るため、資料にあたった星野さんは「渋沢が幕末期に尊皇攘夷を目指して挫折した後、西郷隆盛、徳川慶喜ら著名人と接点があったのは面白い」と感じた一方、「若い頃の資料が少なく、描くのは大変だ」と思った。今年3月には、深谷市血洗島ちあらいじまに残る渋沢の生家を訪ね、裏の竹林が赤城山から吹く強風で揺れる様子を見て、感動したという。

 連載は6月23日発売号から始まり、9月8日発売号の第4話までで星野さんは、ペリー率いる米艦隊が来航する1853年の前年から、日米修好通商条約が締結される58年の前年までをとりあげた。

 豪農の家で生まれた渋沢は「太閤記」や「論語」に夢中な12歳の時、傷を負った長州の志士に出会った。倒幕思想に触れて列強の脅威を意識し、行動で貧困や疫病を解決するしかないと考えた。17歳になると、藍の葉を発酵させた染料「藍玉」の注文取りで、漢籍の師でいとこの尾高惇忠じゅんちゅうと信州や上州を回り、商いを経験する。父の名代で陣屋に行った際は、岡部藩主の意を受けた代官から理不尽な「御用金」の提供を命じられ、父に返事を聞くと答えて罵倒されて、幕府批判の魂が宿る――。そんな若き日の渋沢を、表情豊かな筆致で描いている。

 ヤングチャンピオンの重兼嘉夫さんによると、編集部には読者から「『偉人の知られていない面が描かれ、知的好奇心が満足させられた』といった声が多く寄せられている」という。

 星野さんは「渋沢は(24歳で)一橋慶喜に仕え、幕臣としてパリの万国博を視察した。明治政府でも働いた後、実業家になった。いばらの道を選んで様々なものを背負い、人々に影響を与えた生き方を描いていきたい」と話している。

 単行本はB6判、192ページで税別630円。通販サイトや書店で予約できる。

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