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[週刊エンタメ]厳しい時代にエール 「気弱な男性」にも共感

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いつまでも恋人同士のような裕一(窪田正孝、左)と音(二階堂ふみ)。そんな2人も戦争によって、ほんろうされていく
いつまでも恋人同士のような裕一(窪田正孝、左)と音(二階堂ふみ)。そんな2人も戦争によって、ほんろうされていく
神奈川県出身の窪田は撮影中断中、裕一が話す福島弁の練習を欠かさなかった。「日常的に福島弁を取り入れて、福島との距離を近くに感じたかった」=守谷遼平撮影
神奈川県出身の窪田は撮影中断中、裕一が話す福島弁の練習を欠かさなかった。「日常的に福島弁を取り入れて、福島との距離を近くに感じたかった」=守谷遼平撮影

 今日、9月26日は、NHK連続テレビ小説「エール」の最終回が当初予定されていた日だ。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため撮影が一時中断し、6月下旬からは初回からの再放送が続き、最終回は11月28日に延期された。にもかかわらず、新作の放送が再開された14日以降、視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区)は連日18%を超える高い数値を記録する。その人気の要因は――。(笹島拓哉)

NHK朝ドラ 撮影中断…再開後も高視聴率

 「エール」は、音楽とともに激動の時代を生きた夫婦の物語だ。主人公の古山裕一(窪田正孝)は昭和を代表する作曲家・古関裕而こせきゆうじ、ヒロインの音(二階堂ふみ)は古関の妻・金子きんこが、それぞれモデルとなっている。

 連続テレビ小説(朝ドラ)の主人公は、夢や目標を持って前向きに生きる女性が定番だ。2019年度放送の2作も、前期の「なつぞら」はアニメーション制作、後期の「スカーレット」は陶芸と、夢を追う女性の半生を描いた。

 裕一は天才的な作曲の才能があるが、周囲に気を使ってばかりいる気弱な人物だ。一方、音はレコード会社に自ら乗り込んで夫を売り込み、歌手になる夢も追い続ける活発な女性で、定番の主人公像に近い役柄だ。

 「エール」の制作統括を担当する土屋勝裕チーフ・プロデューサー(CP)(50)は「裕一と音のどちらを主人公にするかは相当議論した」という。それでも主人公を裕一にしたのは、「実際に戦地に赴き、戦時歌謡を作曲したことで葛藤した裕一の方が、ドラマが深く描ける」と判断したからだ。

 また、「日本の映像作品に登場する男性主人公は、当初はうだつが上がらないが、あるきっかけでたくましくなると、人気を集める傾向がある」と、土屋CP。そのため、裕一の気弱な性格は、あえて脚色したものという。単なる天才作曲家でなく、音楽以外は基本的にダメな役柄に、視聴者が共感しているのだろう。

        ◇

 コロナ禍の影響で「エール」は、全130回が全120回に短縮される。出演者では、大物作曲家・小山田耕三を演じた志村けんさんが、新型コロナに感染して亡くなった。小山田のモデルとなった山田耕筰は、東京五輪の翌年に死去した。土屋CPは「裕一の才能に嫉妬した小山田が悪役のように描かれたまま、志村さんが亡くなられた。戦後で、裕一との師弟関係を描けたはずだったと思うと、残念でならない」と肩を落とす。

 一方、コロナ禍で閉塞へいそく感が漂う中、昭和歌謡や古関が得意とした応援歌などが次々と流れることも、視聴者に好評な一因だろう。

 実は、撮影中断の間に当初の脚本の内容を見直した。東京五輪などを想定した、お祭り的な要素を圧縮し、コロナ禍で苦しむ視聴者へ応援歌を届けたいというテーマをより明確なものにしたという。土屋CPは「今後放送する戦中の場面では、大変な時だからこそ試される裕一の姿を、戦後の場面では、困難な状態からの復興を描く。それらは今と重なる部分があると思うので、裕一の気持ちになって見てもらえたら」と話していた。

裕一役・窪田正孝 共演者に配慮「主役の務め」

 連続テレビ小説の第102作となる「エール」は、11作目となる男性主人公の作品だ。主人公の古山裕一を演じる窪田正孝(32)は、「自分のことよりも、共演者が演じやすいような環境を作るのが主役の務めだと実感しました。俳優として、次のステージに行くための貴重な経験をさせてもらっています」と語る。

 特に妻・音役の二階堂ふみ(26)に対しては、「生き生きと音さんを演じられることが、作品の成功だと思っています」とまで言い切る。

 そのように考えるのは、窪田にとって本作が3作目の朝ドラとなることも関係している。初出演は「ゲゲゲの女房」(2010年度前期)で、漫画家・村井茂(向井理)の熱血アシスタント倉田圭一を演じた。2作目となる「花子とアン」(14年度前期)では、主人公・村岡花子(吉高由里子)を子どもの頃から思い続ける幼なじみ、木場朝市役で出演し、朝市を巡る外伝ドラマも作られた。それぞれ脇役ながら存在感のある演技を見せたが、「自分のことだけ考えていれば良かった」と振り返る。

 1年近く撮影に臨む主役となると、短期間で出番を終える役も含めほとんどの出演者と共演する。「それぞれ、その方としかできない芝居というものが、裕一のいろんな面を引き出してくれる。役作りよりも出会いが大事だと思います」

 朝ドラ主演という大役を経験し、「今後、どんな役を演じても、主役の大変さを知った上で撮影に臨むことができる。これは大きな収穫です」と話していた。

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1502055 0 エンタメ・文化 2020/09/26 05:00:00 2020/09/26 08:37:16 2020/09/26 08:37:16 いつまでも恋人同士のような裕一(窪田正孝、左)と音(二階堂ふみ)。そんな2人も戦争によって、気持ちがすれ違っていく https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/09/20200925-OYT1I50081-T.jpg?type=thumbnail

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