【独自】最古とされる源頼朝の木像、解体・修復作業進む…国宝の肖像画に別人説浮上で評価高まる

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 鎌倉幕府初代将軍・源頼朝(1147~99年)の最古とされる木像を解体・修復する作業が進められている。中学・高校の教科書に写真が掲載され、頼朝の実像に最も近いと言われている。所蔵する甲府市の甲斐善光寺は、国の重要文化財指定を目指し、由来や制作年などを特定して歴史的価値を裏付けたいとしている。

修復作業に入る前の源頼朝像(山梨県甲府市の甲斐善光寺で)
修復作業に入る前の源頼朝像(山梨県甲府市の甲斐善光寺で)

 解体・修復されているのは、山梨県指定文化財「木造源頼朝坐像」(高さ94・5センチ)。これまでに確認された像内部の記録には、頼朝の妻・北条政子の命で作られたことや、頼朝の命日が記されており、鎌倉時代の制作と伝えられている。長野市の善光寺が所蔵していたが、武田信玄が川中島合戦の際、戦火が及ぶのを懸念し、1558年に甲斐善光寺へ移したとされる。

 一方、頼朝の肖像画として長く紹介されてきた国宝「伝源頼朝像」(京都・神護寺所蔵)は、1990年代に別人説が浮上し、論争が続いている。このため、同寺の木像が頼朝を最もよく表しているとして近年、評価が高まっている。胴体は修復されたとみられており、頭部が制作年を知る手がかりとなるという。

 ただ、木像は彩色がはがれ、眼球に使われた水晶や、手と首が欠損するなど劣化が著しい。同寺は、東京都世田谷区の文化財修理業「明古堂」に修復と調査を依頼。木像を明古堂に移して5月から作業が始まった。

解体され、修復と調査が進められている源頼朝像(東京都世田谷区で)=園田寛志郎撮影
解体され、修復と調査が進められている源頼朝像(東京都世田谷区で)=園田寛志郎撮影

 現在、木像は頭部や足など三十数個のパーツに分解された後、汚れを取り、薬剤を塗って劣化を防ぐ処理が行われている。同時に赤外線で像内部に書かれた文字などの調査も進められている。欠損していた眼球は、山梨の職人に水晶で作ってもらうという。来年3月までに修復と調査を終え、同寺に戻る予定。

 同寺の吉原知仙ちせん・副住職は「傷みが激しく、このままでは朽ち果てていくばかり。最古の頼朝像として多くの人に知ってもらうため、しっかり修復して調査したい」と話している。

無断転載・複製を禁じます
1599831 0 エンタメ・文化 2020/11/03 22:11:00 2020/11/04 00:04:33 2020/11/04 00:04:33 修復されることが決まった「源頼朝坐像」(5日、甲府市の甲斐善光寺で)重文指定を目指して調査される源頼朝坐像(甲府市の甲斐善光寺で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/11/20201103-OYT1I50031-T.jpg?type=thumbnail

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

アクセスランキング

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
発言小町
OTEKOMACHI
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
The Japan News
YOMIURI BRAND STUDIO
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
読売新聞社からのお知らせ