「誰かを励ますなんて傲慢」と思いつつ歌い、大きな反響…今井美樹「今までの迷いもよかった」

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 歌手の今井美樹が、代表曲に華麗なオーケストラアレンジを施し、歌も新たに録音した「Classic Ivory 35th Anniversary ORCHESTRAL BEST」(ユニバーサル)を出した。コロナ禍が深刻な英国に暮らし、様々な予定の変更を経ながら完成させた。「音楽って不要不急かもしれないけれど、生きる上であって当たり前のもの」と語る。(清川仁)

 収録10曲のアレンジは4人の音楽家が手がけた。千住明は「瞳がほほえむから」などをきらびやかに彩り、服部隆之は「PRIDE」などに胸高鳴る響きを与えた。「幸せになりたい」などを涼しげなボサノバ風味に仕立てたのは挾間はざま美帆。昨年、打ち合わせをしてすぐに挾間のグラミー賞ノミネートのニュースがあった。今井は「素晴らしいタイミングでの出会い」と喜ぶ。

 以上の録音は今年3月までに終わっていたが、その後、コロナ禍で中断を余儀なくされた。予定を変更し、「未来は何処どこ?」など残り2曲は急きょ、武部聡志に編曲を依頼した。「共通言語を持った音楽仲間で、私の大事な思いをくんでくれる」と今井。武部は、アルバム全体像を見据え、弦楽が優しく包むような雰囲気で仕上げてくれた。「いいバランスのアルバムになった。今井美樹に興味がなくても、音楽が好きという人には絶対楽しんでもらえると思う」

 今年で歌手デビュー35年目。「歌いたいというより、大好きな音楽に合う声で歌詞を伝えたいと思い、声質やニュアンスを大事にしてきた」。今作ではオーケストラとの共演で、聴き手の心に強く残っている原曲に立ち向かうという課題に取り組んだ。「もう少し歌っていけるかなって、自分にエンジンをかけることができた。ちょっとうれしかった」

「コロナ禍はとても不幸なことですが、世界中のみんなで一つの問題を乗り越えていくチャンスと考えることが重要だと思う」=青木久雄撮影
「コロナ禍はとても不幸なことですが、世界中のみんなで一つの問題を乗り越えていくチャンスと考えることが重要だと思う」=青木久雄撮影

 今年8月に出演したテレビの音楽特番では、千住の指揮で収録曲の一つ「PIECE OF MY WISH」を披露。同曲は震災などに苦しむ多くの人を元気づけてきた。「(マイクを持たない)左の拳を握るほど力んでしまうようになり、軽やかな歌い方ができなくなった」。評価を得る一方で、責任の重さを感じる曲となっていた。「自分だってまだまだなのに、誰かを励ましたいなんて傲慢ごうまんとしか言えない」とも思った。それでも、番組では歌声が心に寄り添ってくれたと大きな反響を呼んだ。「だとしたら、今までの迷いも(結果的に)よかった。オケが自分を奮い立たせてくれた」

 英国は、店舗内でのマスク非着用者に罰金が科せられるなど厳しいコロナ禍が続く。「でも、音楽に救われてきた私にとって、音楽はあって当たり前のもの。音楽を続けるために必要な方たちの技術や場所は、一度なくなると大変。助け合いながら今をしのいでいきましょう」と呼びかけた。

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1640607 0 エンタメ・文化 2020/11/20 09:45:00 2020/11/20 19:53:11 2020/11/20 19:53:11 英国から一時帰国した歌手の今井美樹さん。東京都渋谷区で。2020年8月13日撮影。 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/11/20201116-OYT1I50014-T.jpg?type=thumbnail

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